【米国株】暴落時の対策は?結論:静観→期間分散で買い増し!【歴史の振り返りあり】

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
今回は「米国株暴落時の対策」について自身の13年の米国株投資の経験をもとに検討します。
2022年は米国経済の政策転換を迎え、特に米国株式に逆風になる可能性が高い年。
加えて執筆時点ではロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクも高まっている状況です。

【2022年トレンド】仮想通貨保有がおすすめな理由【相関ポイント提示あり】では、
2022年の米国経済が直面する仮想通貨と米国株にとってのリスクイベントの大筋を整理。
米国株にとって経済政策の転換期を迎えることで、米国株式にとって不利な状況が続く年です。
相場が崩れるタイミングにぜひ知っておきたい要点をまとめておりますので、ご確認ください。

暴落における対策の結論:静観→期間分散で買い増し!

早速ですが本記事の結論から!

相場暴落時にのおすすめの対策としては、
・まずはマーケットが崩れている状況を静観しすぐに対処しない。
・暴落局面で数回でタイミングを分散しつつ買い増しを行うこと。

最もお伝えしたいことはシンプルで上記2つに尽きます。
前提条件としては、10〜20年以上の長期投資のスタンスでインデックス投資が主体であること。
投資期間や方針については、様々な考えがありますが、私自身の米国株投資の経験上、
前提条件を踏まえ上記の通り、暴落時には2つの対策に徹することで自分なりにリスクを抑え、
リターンの最適化をはかり続けてきました。中でもVTI+QQQを自身の”最適解”と捉え、
約8年にわたり実行中。再現性の高さと両ETFの組み合わせで得られる高パフォーマンスから、
おすすめしたい投資手法。【保存版】VTI+QQQ=最適解にて、ぜひご参照してみてくださいね。

以降では過去の代表的な米国市場の暴落を振り返りつつ、本結論の根拠を掘り下げる形で、
暴落が生じても動じない腰の強い投資姿勢を目指すコツについて実体験から解説を進めます。

暴落の歴史を大局的に振り返る

米国株式市場における過去の暴落の歴史をチェックしていきます。

米国株式において暴落から回復までの期間は暴落時の状況で異なります。
注視すべきは、記録的な大暴落である1929年の世界大恐慌(ピーク時から−83%)でさえ、
約15年の時間経過で世界大恐慌以前につけていたピークを超え回復に至っていること。

・1972年のオイルショック時は−約43%で4年で回復
・1987年ブラックマンデー時は-約30%で2年で回復
・2000年のITバブル崩壊と同時多発テロの時は−約45%で6年で回復
・2007年の世界金融危機・リーマンショック時は−約50%で5年で回復
ピークの年下落率回復の年回復までの年数
1929年-83%1945年15年
1946年-22%1949年3年
1961年-22%1963年2年
1968年-29%1971年3年
1972年
(オイルショック)
-43%1976年4年
1987年
(ブラックマンデー)
-30%1989年2年
2000年
(ITバブル崩壊)
-45%2006年6年
2007年
(リーマンショック)
-50%2020年5年

上記数値は、米国株(S&P500)のピーク時から20%以上に下落した年度と回復までの期間。
過去95年でピーク時より20%以上下落した際に回復までに要する平均期間に関しては、
米国株式(S&P500)では約5年
をマーク
しています。日本株(日経225)との差は歴然。
参考までに下記は日本株(日経225)のピーク時から20%以上の下落年と回復までの期間。

ピークの年下落率回復の年回復までの年数
1953年-26%1955年2年
1961年-26%1963年2年
1963年-21%1965年2年
1973年-32%1976年3年
1989年-69%2021年32年

過去は未来を保証するわけはありませんが、暴落史のデータを踏まえていえるのは、以下の通り。

・株式を保有するなら、長期保有が優位
・世界経済をけん引する米国への投資が対象としてはベター
・暴落が生じても回復までには10年以上の期間を要する可能性は低い

楽観的な見方をするつもりでは決してありませんが、長期投資家にとってリスク許容度の範囲で、
投資対象を見誤らなければ着実なリターンを獲得していく公算が大きい
のが事実になります。

静観:方針通りに積立投資のみを淡々と実行

暴落発生時には、まずは落ち着いてマーケットを静観することが必須。
米国の代表指数であるS&P500では、2020年3月末に発生したコロナショックを実例に解します。
2020年2月14日の最高値付近〜2020年3月20日付近の大底で最大−約32%の下落率を記録。

では、コロナショックの暴落局面で私自身、どのような施策を講じたか?
先述の通り、パンデミックでNYがロックダウンされようが、石油が投げ売りされようが、
サーキットブレーカーが発動しても、目の前で起こっている現象を受け入れることに徹しました。

なぜなら、投資初心者の間もない大学生の頃に不運にもリーマンショックを経験しており、
自信のもてるポートフォリオの構築が投資で最重要になることを身をもって学んだからです。
トレードで利ざやを得ていくことや短期売買でリターンを得ていく短期目線の投資が、
いかに困難な投資選択であることに加え、自身にあわない手法と痛感
したからに他ありません。
このような試行錯誤を経て、先にあげたVTI+QQQの投資手法にたどり着いたの経緯です。

自信をもてる投資対象のみをポートフォリオに組み、ベターなアセット比率で配分していたため、
コロナショックで一時的に保有資産が−約32%以上になろうとも、動揺はほぼありませんでした。

もちろん、狼狽売りに走ることも、落ちてくるナイフを直ぐに素手で掴みにいくこともせず、
リーマンショック時のような二番底のシナリオを無駄に予測することもしていません。
マーケットの動向の静観に徹し、暴落をスルーしていくことのみに集中しました。

株価が急落しようとも自信をもてる腰の強いポートフォリオを目指していないと、
暴落に耐えることができずに、高い確率で市場から退場してしまう残念な結果に至ります。
例えば、世界的なニーズが強く高リターンが魅力の仮想通貨(BTC・ETH)を保有していますが、
保有する全アセットの2〜5%のあくまで低い比率で中長期目線での保有方針。
年齢、投資期間、家族構成、目標リターンなどからリスク許容度を逆算することで、
自身にあったアセットアロケーションを行い、ポートフォリオ構築がマストになります。

【米国株投資家の理想形とは?】アセットアロケーションが9割【最適解の提案あり】にて、
投資成果を左右するアセットアロケーション、ポートフォリオについて詳細を解説。要チェック。

また、綺麗事ではなく自身の投資方針に忠実であるのは暴落に強いと断定できます。
投資対象を増やすのではなく根本的に優れている対象を絞り込み、淡々と、無感情に、機械的に、
積立投資を実行していくこと、すなわち、凡事徹底を貫くのが私の投資スタイル。
もちろん、人間は感情の生き物である以上、”言うは易く行うは難し”ですが私の場合、
暴落で資産が半分以下にならなければ良しとする規律をもうけ投資を行なっています。

【VTI+QQQ投資に徹する技術】米国株投資おすすめルーティン【結論:習慣化が9割】では、
私なりの投資における凡事徹底を紹介。ぜひご自身の投資習慣にお役立てください。

買い増し:暴落局面で期間分散を行う+αの投資

暴落が発生した際には上述の通り即対処するのではなく、市場を静観する重要性をあげました。
暴落の詳細な背景や相場の方向性について、後からわかることが多いですが、米大統領の指針、
FRBの政策方針、他国の反応などを自分なりに整理した後に相場に入るタイミングをはかります。

チャートでみるべき要素は他にもいくつかありますが私の場合、50日移動平均線、
100日移動平均線、200日移動平均線の観点から株価推移を観察
することを最重視しています。
理由はシンプルですが株価の方向性・トレンドが最もわかりやすく反映される指標と考えるため。
次いで、対象株式の出来高をどの程度ともない、増減しているかを確認。
出来高の増減把握は株式の上振れ、下振れ、一時的か持続的のトレンドかの判断材料だからです。

約3年のVTI株価推移
約3年のQQQ株価推移

株式相場の世界で「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があるように、暴落局面でどこが底で、
どのシーンで上昇に転じるかについては、誰にもわかりませんし、正確な予測はほぼ不可能。

なので、コロナショック時には暴落背景に関して、大筋の状況把握ができたタイミングで、
追加資金を数週間単位での発注に分割し、期間分散を行い、VTI・QQQの発注を実行しました。
コロナショック時にサーキットブレーカーを初めて経験しましたが、
自身の投資方針に従い、50日・100日・200日移動平均線の全てを下回り続ける株価推移を追い、
果敢な買い増しを進めました。暴落発生時でどこが底であるかが不明である以上、
底を買いを狙う邪心を捨てる大らかさが長期投資において求められると私は考えます。

前項で紹介した凡事徹底の延長として、暴落局面で投資期間をやや大きく捉え資金を分割し、
株式の発注回数を増やすことで割安圏の株式の量を着実に得ていく戦略
が再現性が高く妥当。
ただし、暴落シーンの追加の買い増しに関しては、対象は個別株は論外で繰り返しですが、
インデックスの長期投資が大前提。
毎月の積立投資プラス余剰程度と考えるのも良いですね。

【名著】『ウォール街のランダム・ウォーカー』から学んだ投資戦略において、
『敗者のゲーム』にならぶ投資家必読『ウォール街のランダム・ウォーカー』をレビュー。
歴史的な豊富なデータや研究結果をもとに、市場分析や市場予測がいかに困難であり、
インデックス投資が有効な手法であるかが説かれています。また、S&P500指数について、
十分に価値を認める形でより米国の広域に分散投資が可能なVTIを”小型株効果”の観点から、
おすすめしているの興味深い考察。暴落への理解を深めることができる必見の内容です。

暴落中にNGなこと:投資方針の急転換&狼狽売り

私の経験から暴落中にNGな行動に関して2つを紹介します。
1つは、投資方針の急転換。暴落が生じたから従来までの投資方針を急変させることです。
コロナショック時の暴落が発生した際にも投資スタンスを一変させる方が多くいました。

2つ目は、狼狽売りがあげられます。暴落により単純にメンタル的に株式保有の自信がなくなり、
これ以上の損失を回避したい一心で売り急ぐこと。人間特有の感情や心理的な要因が強いです。
暴落中の投資方針の急転換、狼狽売りの両者に共通しているのは、投資方針が未確立であること。

暴落により投資方針がブレることで、自信を失い投資方針を急に転換させ、狼狽売りに走るのは、
現金保有比率や資産配分の意識の欠如、特定アセットへの偏重などが主な要因だからです。
投資対象を見誤っている場合では、最初から中途半端に保有しない選択が無難。
利用価値があり長期的に保有できる自信こそが投資方針の土台であり、
暴落による感情に左右されづらい頑固とした本質的な要素を含む対象になります。

暴落がどれくらいの段階で底打ちし、トレンド転換するのかを正確に測れれば別ですが、
できないからこそ、あえて難しいことをするのではなくシンプルで長期視点で、
確実なパフォーマンスを狙えるインデックスファンドへの投資が合理的な選択
であるといえます。

【名著】『敗者のゲーム』から学んだ投資戦略で投資家のバイブル『敗者のゲーム』について、
自身の失敗体験を交えながらレビュー。タイミングを見計らう売買によるミスを最小化し、
市場平均のリターンを狙うインデックス投資が長期投資家にとっての有効性を明示。
私は暴落時に必ず本書を振り返り、自身の投資方針の確認について自問自答しています。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』とあわせてチェックするのがおすすめ。

暴落の備えにおすすめの情報収集

暴落に備えるために米国株投資家にとって、無料の有意義な情報収集を紹介しておきます。
先述のVTIやQQQなどのように着実なキャピタルゲインを狙う投資家にとっては、
オックスフォードキャピタルレター 無料レポート。一方で、暴落局面でとりわけありがたい、
配当を堅実に獲得していく高配当戦略を学ぶ上で、オックスフォードインカムレターがおすすめ。

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まとめ

リーマンショックとコロナショックの大暴落をリアルタイムで経験している私自身が考える、
暴落時の心構えや対策などを解説していきました。投資において調整や暴落はつきものなので、
これら自体を避けて通ることはほぼ不可能で当然、コントロールしていくこともできません。

しかし、暴落の発生時にどのように相場を捉え、仮に大暴落が生じても動じないように、
自らの意志でで管理可能なところに対しては、事前にケアしていくことが十分に可能。
先に述べた通り、自身のリスク許容度から逆算し見合ったアセットアロケーションを踏まえ、
腰の強いポートフォリオの構築を目指していくことこそが暴落耐性の強化に繋がります。


暴落自体を過度に恐れる必要はなく、長期投資家にとってむしろ買い増しの好機と私は考えます。
ただし、前提条件としては、いかに凡事徹底を貫き確実に行うべきことを最優先にすること。
例えば、iDeCo、つみたてNISAに代表される非課税優遇制度の利用などがあげられますね。
今年は米国株にとってリスクイベントが多数。暴落対策の検討にぜひ本記事をお役立てください。

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*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。

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