こんにちは。甘鯛です。
米国株投資でJohnson & Johnson(以下、JNJ表記)の銘柄分析がテーマです。
バンドエイド、リステリン、アキビューなど、日本でも馴染みの製品が多い同社。
米国株の投資対象として、私もポートフォリオの一部で保有し続けている銘柄です。
・進展しているヘルスケア産業への投資に興味がある方、
・JNJ株投資のメリット・デメリットを把握したい方、
こうした読者様の課題解決に本記事がお役立てできれば幸いです。
早速ですが結論から!
JNJ株は長期投資を前提にする方にとって、投資対象として魅力的な選択肢と位置付けられます。
私の米国株投資の基本方針として、VTI+QQQの長期投資をメインに行なっています。
詳細は過去記事をご参照ください。
私の投資方針に則して言わせて頂くと、
JNJ株投資は、VTI+QQQなどのメイン投資を行いつつ、プラスαとして価値ある投資対象の認識。
以降は、要点を絞りながら解説を進めていきます。
JNJの概要
JNJは、医薬品、医療機器、日用品を製造・販売している世界最大のヘルスケア企業です。
世界60カ国以上でグローバルに事業を展開。
日本では「バンドエイド」「リステリン」「アキュビュー」などのブランドが身近ですね。
このような日用品の他には、医薬品や医療機器などを取り扱っています。
JNJの大きな特徴としてあげらるのは、
日用品、医薬品、医療機器の事業セグメントから構成される総合ヘルスケアカンパニーとして、
人命に関わるヘルスケア領域において、3つのビジネスの柱からなっていることです。
馴染みのある「バンドエイド」「リステリン」「アキュビュー」に分類される日用品よりも、
売上の中心は、医薬品・医療機器となっており、少し意外に思う方もいるかもしれませんね。

- 売上高は825億$(2020年通年)
- 世界最大規模のヘルスケアカンパニー
- 時価総額は、Berkshire Hathaway、JP Morgan Chaseに次いで全米11位(2021年10月時点)
余談になりますが、私は昔から「リステリン」を愛用しています。
理由は、虫歯になってしまうと治療で歯科に費やす時間とお金が無駄になるからです。
また、食いしん坊の私にとって、美味しい食べ物が食べれなくなるのは悲しいからです 笑。
虫歯予防のために歯磨きに加え、毎日欠かさず使用する「リステリン」。
JNJ製品は、案外私たちの身近に多くあります。
消費者としても、投資家としても親近感があり愛着がわきますね。
JNJ投資のメリット
- 連続増配銘柄
JNJ株は59年連続の高配当銘柄。50年連続増配株を配当王(Dividend King)、25年連続増配株を配当貴族(Dividend Aristcrat)と言われますが、米国にはなんと配当王は29社もあります。日本は配当貴族として花王(30年連続増配)1社のみなので、いかに優れているかがわかります。5年平均増配率は6.04%。配当利率は2.61%(2021年10月時点)ですので、もの凄く高配当というわけではないですが、年4回高水準の配当を受給できるのは悪くないです。 - 攻守に優れたバランス
JNJ株の優れたところはこちらになります。オフェンスとして、着実な株価の伸び。ディフェンスとして、高配当かつ暴落耐性の強さ。例えば、2008年11月中旬に発生したリーマンショックでは、S&P500は-約50%、一方でJNJは-約19%です。2020年3月末に発生したコロナショックでは、S&P500-約30%、一方でJNJは-約11%なので、暴落時の底堅さがわかります。過去10年で株価は約2.5倍のオフェンスかつ不況時のディフェンシブ。これがJNJ株の特徴です。 - ヘルスケアセクターの雄
先述の通りJNJは、日用品、医薬品、医療機器の3つの事業セグメントより構成。コングロマリット経営をしている点は素晴らしいです。世界1のヘルスケアカンパニーであり続けるべく、事業の買収・売却にも積極的。また、ヘルスケア領域は、COVID‑19のパンデミックによる健康意識の加速に加え、世界的な長寿傾向を背景に長期で確実な成長が見込めます。こうした事業形態と世界動向から、JNJ株の長期投資は期待がもてます。

JNJ投資のデメリット
- 訴訟リスク
米国は訴訟大国で、製薬企業は訴訟リスクが宿命とも言えるので仕方ない側面はあります。近年では、タルク問題が有名。ベビーパウダー「タルク」にアスベストが混入しており、中皮腫や子宮がんなどの原因になった問題では、2500億円近くの賠償に。こうした訴訟問題が取り上げられた際には、株式が売り込まれる材料となり株価は調整されます。
- 競合やジェネリック医薬品
競合との競争は当然あります。ジェネリック医薬品メーカーは強力なライバルです。また、開発が難しいと言われるバイオ医薬品のバイオシミラーやCOVID‑19のワクチン開発で成功をとげたモデルナの存在も大きいです。医薬品の特許は20年ですので、売上への貢献度が大きい医薬品が切れたら業績悪化に繋がるリスクがあります。 - 市場平均をアウトパフォームするか
これは投資家にとって切実な問題。個別株投資のリスクを負うにも関わらず、市場平均に負けるなら、最初からS&P500に連動するVOOや全米企業をカバーするVTIに投資をしていた方が低リスクで資産効率が高いからです。VTIとの比較では、期間20年で両者とも配当・分配金を再投資し続ける条件でバックテストをすると、現状でJNJ株はVTIにやや劣後しています。

【米国株ETF】VTVの特徴とは?結論:大型バリュー株へ効率良く分散投資可能!にて、
バリュー銘柄に効率良く分散投資ができるVTVを解説。JNJのヘルスケアセクターに関しても、
VTVは多く含んでおりバリュー投資を重視される方におすすめなETF。要チェックです。
まとめ
過去記事でも強調の通り、長期投資であればVTI+QQQをメインの投資が最適だと考えています。
暴落時にポートフォリオ(PF)のマイナスを軽減し、底堅さをキープしたい。
こうした意図があれば、自身のPFにJNJ株をおまけ程度に加えるのは有意義でしょう。
高配当株かつ増配銘柄として言われるJNJ株ですが、
正直なところ、配当利率は2.61%(2021年10月時点)の配当率ではやや物足りなさを感じます。
ですが、個人的に考えるJNJ株の魅力は、配当ではなく、暴落や不況耐性の強さになります。
S&P500に連動するVOO、全米株式に投資するVTI、
いずれも時価総額加重平均で組み入れセクター・企業の比率が決定していくので、
現状でバリエーションの高いハイテクセクターが約26%以上で構成されています。
仮にハイテクセクターが崩れるシーンでは、ハイテクセクターをさらに多く含むQQQは当然、
VOOやVTIも株価低迷に繋がるリスクを回避することは現状の時価総額を鑑みると困難です。
ハイテクセクターが崩れる局面で、ヘルスケアセクターの王者JNJ株の強さが発揮されます。
JNJ株の約20年の長期投資で市場平均をアウトパフォームする見込みは、五分五分でしょう。
しかし、長期投資を前提にする上で、PFの一部の組み入れることで、
特に不況や暴落時の資産の目減りを避ける役割を果たすアセットとして魅力的な銘柄です。
《追記》
2021年11月16日に、日用品を扱うコンシューマー ヘルス事業を分社化する計画を発表。
新しいコンシューマー ヘルス カンパニーの分社化完了は、18ヶ月24ヶ月後の見込み。
人類の生命維持の進展において、JNJのビジネスはいずれも不可欠になります。
JNJのさらなる事業展開に期待。注視すべき動向があれば、本記事を更新予定です。
【米国株長期投資のおすすめヘルスケアETF】攻守に優れたVHTとは?では、
ヘルスケアセクターほぼ全域に包括投資を行うETFであるVHTを詳細に解説。
JNJが分類されるヘルスケアセクターについて、理解が深まる内容ですのでご確認ください。
*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。
株式投資のバイブルと言われるジェレミー・シーゲル氏の名著。
配当再投資の有効性に加え、ヘルスケアセクター投資の魅力も多くのデータから語られています。
楽天証券で楽天ポイントをゲットしながら、効率良く投資していくのはオススメですね。
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