こんにちは。甘鯛です。
米国株投資でThe Procter & Gamble Company(以下、PG表記)の銘柄分析がテーマです。
「アリエール」「パンテーン」「ファブリーズ」など、日本でも馴染みの製品が多い同社。
米国株の投資対象として、
私は約11年にわたりポートフォリオの一部で保有し続けている銘柄になります。
・暴落耐性があり安定的に成長を続ける銘柄に投資したい方、
・PG株投資のメリット・デメリットを把握したい方、
こうした読者様の課題解決に本記事がお役立てできれば幸いです。
早速ですが結論から!
PG株は長期投資を前提にする方にとって、投資対象として魅力的な選択肢と位置付けられます。
私の米国株投資の基本方針として、VTI+QQQの長期投資をメインに行なっています。
詳細は過去記事をご参照ください。
前回紹介した、JNJ株投資と本記事テーマのPG株投資では、
時価総額も近く株式の特徴や共通点が多いので、以下もあわせてご確認してみてくださいね。
私の投資方針に則して言わせて頂くと、
PG株投資は、VTI+QQQなどのメイン投資を行いつつ、プラスαとして価値ある投資対象の認識。
以降は、要点を絞りながら解説を進めていきます。
PGの概要
PGは、洗剤、消臭剤、化粧品、など
一般消費財を製造・販売している世界最大の生活必需品セクターの企業。
世界180カ国以上でグローバルに事業を展開しています。
日本でも数多くのブランドが定着しており、
「アリエール」「パンテーン」「ジレット」「ダウニー」「ファブリーズ」 などが身近ですね。
化粧品、シャンプー、洗剤などの消費財は景気の良し悪しに関わらず、
毎日消費しますので、 消費財メーカー のPGは不景気でも売上、利益が落ちずらいのが特徴。
各事業セグメントをみわたしても、いずれもバランスの良い売上構成です。
直近では、COVID‑19のパンデミックでHome Care関連の売上がやや増加傾向になっています。

- 売上高は761億$(2020年通年)
- 世界最大規模の一般消費財メーカー
- 時価総額は、Visa、Bank of Americaに次いで全米16位(2021年11月時点)
余談になりますが、私は長らく「ファブリーズ」を愛用し続けています。
スーツ、布団、シーツ、枕、ソファ、カーペットなどにシュシュっと。
在宅が多い私にとって、効率的に除菌ができ清潔を保つ上で 「ファブリーズ」 は欠かせません。
PG製品は、私たちの身近に驚くほど多くあり、日本人の生活に確実に根づいています。
消費者としても、投資家としても恩恵を受けつつWin-Winを感じながら、
安定感抜群の銘柄に長期間投資ができるのは素敵なあり方ですよね。
PG株投資のメリット
- 連続増配銘柄
PG株は脅威の65年連続の高配当銘柄。50年連続増配株を配当王(Dividend King)、25年連続増配株を配当貴族(Dividend Aristcrat)と言われますが、米国にはなんと配当王は29社もあります。日本は配当貴族として花王(30年連続増配)1社のみなので、いかに優れているかがわかります。5年の増配率は約3~5%で配当利率は2.43%(2021年11月時点)。もの凄く高配当というわけではないですが、年4回高水準の配当を受給できるのは悪くないです。 - 抜群の安定感
マイルドではあるものの、着実な株価の伸び。強固なディフェンス力として、高配当かつ暴落耐性の強さ。例えば、2008年11月中旬に発生したリーマンショックでは、S&P500は-約50%、一方、PG株は-約29%です。2020年3月末に発生したコロナショックでは、S&P500は-約30%、一方、PG株は-約19%なので、暴落時の底堅さがわかります。過去10年で株価は約3倍のオフェンスかつ不況時のディフェンシブ。これがPG株の持ち味です。 - 消費者との強い信頼を勝ち得るブランドマネイジメント
PG株は景気循環に左右されづらいディフェンシブな生活必需品セクター。消費者との強力なエンゲージメントの構築が強さの根幹にあります。毎年20%以上の営業利益率をキープし続けていることは驚異的です。秘訣は世界最高峰といわれるブランドマネイジメント。M&Aを活発に行い、多方面で選択と集中をアグレッシブに進めています。こうした企業努力により、PG製品は同製品群でほとんどがトップブランドに位置づけられているのは圧巻です。


PG株投資のデメリット
- PB製品との競合
価格が安く消費者に近い最終小売のプライベートブランド(PB)はPG製品にとって脅威になりえます。食品や飲料水では既に広がっていますが、消費者が定期購入する日用品も主要ターゲットになります。PGは徹底的なマーケティングにより、消費者との信頼関係の構築に長けており、消費者の継続使用率の向上に努め、PBとは一線を画しています。 - サプライチェーン問題
2021年11月の本記事の執筆時点でサプライチェーンの問題が浮き彫りになっています。これはPGに限らず製造業全般の課題。COVID‑19のパンデミックにより、流通、部材調達などの工程が滞りコスト高が発生。消費者の強いニーズがあったとしても、サプライできず納期遅延や売り損じに繋がります。事態の長期化で、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 - 市場平均をアウトパフォームするか
これは投資家にとって切実な問題。個別株投資のリスクを負うにも関わらず、市場平均に負けるなら、最初からS&P500に連動するVOOや全米企業をカバーするVTIに投資をしていた方が低リスクで資産効率が高いからです。VTIとの比較では、期間20年で両者とも配当・分配金を再投資し続ける条件でバックテストをすると、現状でPG株はVTIにやや劣後しています。

【米国株ETF】VTVの特徴とは?結論:大型バリュー株へ効率良く分散投資可能!にて、
バリュー銘柄に分散投資が可能なVTVを詳細に解説。PGの生活必需品セクターを多く含み、
広範囲にバリュー銘柄への効率的な投資ができます。ぜひご参照してみてくださいね。
まとめ
過去記事でも強調の通り、長期投資であればVTI+QQQをメインの投資が最適だと考えています。
暴落時にポートフォリオ(PF)のマイナスを軽減し、底堅さをキープしたい。
こうした意図があれば、自身のPFにPG株をおまけ程度に加えるのは有意義でしょう。
現に私自身、JNJ株とPG株は直近で買い増しを行わず、ホールドのみです。
私自身は、大学在学時にリーマンショックに見舞われながらも、
抜群の安定感に惹かれ、狼狽売りすることなく約11年ホールドし続けています。
コロナショック時に市場が大混乱する中、果敢に買い増しを行うほど、信頼のおける銘柄です。
高配当株かつ増配銘柄として言われるPG株ですが、
正直なところ、配当利率は2.43%(2021年11月時点)の配当率ではやや物足りなさを感じます。
ですが、個人的に考えるPG株の魅力は、配当ではなく、暴落や不況耐性の強さになります。
JNJ株と類似点の多いPG株ですが、VTIを含め大まかですが、私なりの認識を整理しておきます。
《配当》
JNJ≧PG>>VTI
《株価》
VTI>>>>JNJ>PG
《暴落耐性》
JNJ≧PG>>>>VTI
S&P500に連動するVOO、全米株式に投資するVTI、
いずれも時価総額加重平均で組み入れセクター・企業の比率が決定していくので、
現状でバリエーションの高いハイテクセクターが約26%以上で構成されています。
仮にハイテクセクターが崩れるシーンでは、ハイテクセクターをさらに多く含むQQQは当然、
VOOやVTIも株価低迷に繋がるリスクを回避することは回避できません。
ハイテクセクターが崩れる局面で一般消費財セクターのキングPG株の強さが発揮されます。
PG株の約20年の長期投資で市場平均をアウトパフォームする見込みは、五分五分でしょう。
しかし、長期投資を前提にする上で、PFの一部の組み入れることで、
特に不況や暴落時の資産の目減りを回避する役割を果たすアセットとして魅力的な銘柄です。
JNJ株・PG株ともに、
決算(売上・EPS・ガイダンス)を大きくミスしない限り、現状で売る理由が見当たりません。
JNJ株と同様に、このPG株も長い付き合いになる予感がしています。
*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。
株式投資のバイブルと言われるジェレミー・シーゲル氏の名著。
配当再投資の有効性に加え、一般消費財セクター投資の魅力も多くのデータから語られています。
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