【名著】『ウォール街のランダム・ウォーカー』から学んだ投資戦略

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
本記事のテーマは投資家必読の名著
『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理』から学んだ投資戦略です。
本記事は以下の読者様のお役にたてる内容になっております。

・投資初心者で何からはじめて良いかわからない、
・インデックス投資の有用性について詳しく知りたい、
・『ウォール街のランダム・ウォーカー株式投資の不滅の真理』の要点を知りたい、

この本との出会いは、私が大学卒業間近の時期。
まともな投資戦略をもっていなかった当時、
大学の図書館の金融本コーナーでみつけたのがきっかけになります。
『敗者のゲーム』『 ウォール街のランダム・ウォーカー 』をセットで一気に読みあげました。
以来この2冊は、最低30回以上は読み返しています。

『敗者のゲーム』 についても同様に大変学びの多い名著で、
自身の投資戦略を構築する上での基礎になっております。ぜひ過去記事をご参照ください。

色あせることのない投資の本質的な内容となっており、投資初心者〜中上級者におすすめの1冊
512ページで情報量の多い本書ですが要点を絞り、持論を交えながらわかりやすく解説します。

著者紹介

著者 バートン・マルキール( Burton Gordon Malkiel )
学歴ブリンストン大学経済学博士号・取得
経歴ブリンストン大学経済学部長
大統領経済諮問委員会委員
エール大学ビジネス・スクール学部長
アメリカン証券取引所理事
エール大学経済学部教授
バンガード・グループ社外役員
著書「A Random Walk Down Wall Street
(ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 )」

「The Elements of Investing
(投資の大原則 人生を豊かにするためのヒント )」共著など

ウォール街のランダム・ウォーカー 』は1973年に刊行。
『敗者のゲーム』の著者・チャールズ・エリスとともに、よく紹介される人物です。
両者とも投資思想が一致しており、市場平均を超える困難さを様々なデータから主張。
有名な共著では『投資の大原則』があり、非常に読みやすく投資原理を学べます。

ランダム・ウォーク理論

本書タイトルにある「ランダム・ウォーク」とは株式の理論の1つで、
株価の動きは予測不可能で、決まった法則性はない」という考え方になります。
日本語訳すると「乱歩」。目的なくふらふらと歩く姿からどっちに動くか確率が半々であること。 

ランダム・ウォーク理論を説明する際に用いられるのが「猿のダーツ投げ」という有名な話。
猿に新聞の株式欄を狙ってダーツを投げてもらい、当たった株式銘柄に投資します。
すると、株式専門家が選んで投資した結果と比べても、利益に大きな差がなかったのです。

この理論で強調されるのは、株価の動きは長期でも短期でも、
上昇か下降か両方の可能性があり、統計や分析によって将来の値動きの予測は不可能
ということ。
大学時代に根拠のない自信から、慢心的な投資を行なっていた私の姿勢を正した考え方です。

オランダのチューリップバブル

こちらも現代に通じるところが多く、大変興味深い逸話です。
その昔、1593年にトルコからオランダへ持ち込まれたチューリップは、
比較的高価な花として取引されていましたが、やや贅沢な品という程度でした。

しかし、チューリップがモザイク病という病気にかかると、
色鮮やかな模様を作りだすことが分かると状況が様変わりします。
ここからコレクターの間では、
美しい模様の花を咲かせるチューリップの球根が高値で取引されるようになりました。

1634年から1637年の間で価格が上がり続け、
チューリップの球根が最後には宝石や土地と交換するほど高価になっていました。
ある日、一人の有力なコレクターが冷静になり、チューリップの球根が高すぎると
周囲に意見を求めたことを契機にチューリップの球根売りがはじまります。

次々とチューリップの球根を売る人が瞬く間に増えていき、
チューリップの球根は元の価格へと暴落し普通の玉ねぎと同等の価格にまでになりました。
多くのコレクターが土地、宝石、高級家具などを売って資金調達し、
高騰していたチューリップの球根を手に入れていたにもかかわらず、一気にバブルが弾けました。

この逸話から私が戒めとしてお伝えしたいのは、流行りものに飛びつく前に、
それが自分にとって本当に価値があるか否かを自分の頭で考える癖をつけることの重要性です

例えば、一部の仮想通貨への過度な投機、リスク偏重のレベレッジ投資など。
多分にもれず私も大学生の頃には、自分の軸なく投資と投機の区別すらわからない状況でした。

SNSでインフルエンサーがこういっている、自分の周囲がやっているなど。
自分なりの見解をもたずに、流行りものに流される群衆真理は、愚の骨頂といえます。
まずは自分なりに、ものごとを考える習慣をつけることで、真価を見極める力が養われます。
価値観が多様する昨今、今まで以上にますます求められる普遍的な力だと私は考えます。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の株価の動き方から投資の判断をすること。
よくイメージされる株式トレーダーのような手法で、
株の値動きを表示するチャートから様々な指標を用いて売買のタイミングを分析します。 

テクニカル分析を積極的に行う投資家は、
株価チャートを予想することに全てを捧げるチャーティストといわれます。
自ら株価チャートを作り、値動きをいかに解釈していくかに夢中です。

著者は、テクニカル分析を行う投資家を「砂上の楼閣」と揶揄しています。
端的にいうと、妥当な根拠に乏しい理論に対して、過度に執着しすぎているということです。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、企業を分析し投資の判断をする手法。
企業が発表するデータから財務の状況について分析を行い、企業の本質的な価値を考えます。
企業の価値と株価を比較して株価が安くなっていれば買うというのが基本的な戦略。
株価が「割安」なのか「割高」なのかを考え売買をする投資手法です。

多くのファンダメンタル分析家たちは、
株価の動きのうち合理的な部分は10%程度で、残りの90%は心理的な要因であると捉えています。
そのため、他のプレーヤーたちの行動を読むことに夢中になります。
当然チャートは過去のプレーヤーたちの心理ですが、
それを読むことで未来の心理が読め株価の動向を把握できると考えています。

著者が、ウォール街の有名なファンダメンタル投資家たちに企業の期待成長率、
5年後の企業価値を様々な尺度から算定してもらいました。
結果は、どの専門家たちも、過去の業績の延長上にある無難な企業価値を算定してきました。
ところが、5年後の答えあわせでほとんどの予想が外れるという虚しい結果になりました。
株価を予想することが、いかに困難で大きな意味をもたないかがわかる内容ですね。

投資の最適解

投資の最適解を検討する上で、著者が挙げるポイントを3つの整理し簡潔に紹介します。

  • 長期投資
    株を投資運用する期間は大きく「短期」と「長期」に分けられます。
    厳密に期間を定められてはいませんが、
    短期投資とは数時間から数週間を指し、値上がりしたら売却します。
    一方で、長期投資とは数十年単位になり、将来の成長性を期待して購入します。 
    株を買い保有するなら長期、これが著者の主張の骨子になります。

  • 分散投資
    分散投資は「時間分散」と資産分散」に分類されます。
    時間分散とは、時間を空けて複数回に分けて購入すること、複数回に分けて売却すること
    時間を分散して投資することにより、
    高値での購入や安値での売却のリスクを和らげドルコスト平均法といわれます。
    資産分散とはそのまま、複数の資産へ資金を分散することです。
    1つの株だけに集中投資するとリスクが大きくなってしまいます。
    1社だけに集中投資するとその会社が倒産してしまうと投資したお金がなくなります。
    しかし、10社に分散して投資すると1社が倒産しても投資したお金へのダメージは、
    最低限に抑えられます。リスクを軽減するためには投資対象の分散が効果的ですね。

  • インデックス投資
    先述の通り株価は完全なランダム・ウォークではなく、
    長期では上昇トレンドで推移していくことが、本書で様々なデータから語れれています。
    著者が本書で最も強調したい結論として、インデックスファンドを購入することで、
    分散投資によるリスク軽減を行い市場平均のリターンを獲得していくことが明示。
    また、私が特に強調したいのは、本書終盤の第8章〜11章で度々語られる「小型株効果」
    インデックス投資の主張の際には、よくS&P500が取りあげられます。
    S&P500は米国を代表するインデックス(指数)で約500社の中・大型株が投資対象。
    もちろん、S&P500は優れたインデックスであるのは間違いありません。
    ところが、著者はVTI(トータル・マーケット・インデックス)をよりおすすめしています。
    理由は先に挙げた「小型株効果」によるところが大きいからです。
    「小型株効果」とは時価総額が小さい小型株は大型株よりも高い収益率の傾向であること。
    そのため、将来的な利益成長が期待できる株として収益が得られやすいということです。
    VTIでは、成長著しい小型企業の株から大型企業の株までをカバーしており、
    S&P500よりも包括的な分散投資が実現可能になります。著者はS&P500を認めつつ、
    VTIをさらにおすすめする形でインデックス投資の優位性が説かれています。

私自身、約7年ほど、VTIをポートフォリオの中心に据え、
運用し続けており納得のいくパフォーマンスを獲得し続けています。
【投資家必見】VTIをわかりやすく解説では、VTIを解説していますので、ぜひご参考ください。

約15年のVTI(青)・S&P500(ピンク)のパフォーマンス

まとめ

本書の主張は『敗者のゲーム』の主張と概ね一致しています。
いずれも一言で結論を述べれば、インデックス投資の優位性、になるからです。
本書は512ページに及び情報量としてはやや多い方ですが、結論は至ってシンプルですね。

また、本書では先述の『小型株効果』についての見解を示しております。
多くの書籍では、インデックス=S&P500、を前提にする主張が多い中で、
S&P500よりもVTIを推しているあたりは、個人的に興味深い見解です。

大学在学時に投資をはじめた直後にリーマンショックが直撃。
投資方針やロクな知識もまく、投資アレルギーになっていた私が、
本書と『敗者のゲーム』に出会えたのは心底運が良かったと振り返ります。

両書でいわれる投資基礎である長期・積立・分散に加え、
メインの主張であるインデックス投資の優位性を早い段階で知ることができ、
速やかに実行に移したことで良い結果を生み、自身の投資方針の構築に繋がりました。
再現性が高く、なおかつ、着実に結果をだし続けられる思考習慣を身につけ、
実行し続ける仕組みづくりのエッセンスが多くつまった投資家のバイブル
と断言できます。

*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。

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