【米国株の疑問解消】バリュー投資?インデックス投資?2022年最新動向

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
今回は「バリュー投資?インデックス投資?2022年最新動向」がテーマ。
約8年にわたりインデックス投資を基本スタンスとして実行中の私にとって、
バリュー投資との出会いは大学在学期間でした。

バリュー投資、グロース投資、インデックス投資など、
投資手法の分類すらまともに理解していなかった当時…
大学の図書館で名著『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~』に出会いました。

本著でとりわけ感銘を受けたのは、インデックスをアウトパフォームしうる配当の再投資戦略。
バリュー投資の魅力に惹かれ、ポートフォリオの一部に後述するバリュー銘柄を保有しました。
紆余曲折ありましたがインデックス投資に着地し約8年、VTI+QQQの投資を実践中。

本記事は以下の読者様の課題解決に繋がる内容となっております。

・バリュー投資ってそもそもどのような投資手法?
・バリュー投資を実践する上でどのようなことをすれば良い?
・結局のところ、バリュー投資はおすすめの投資手法なの?

以降では、各項目ごとに掘り下げて解説を進めていきます。

結論:バリュー投資よりもインデックス投資がおすすめ

早速ですが本記事で1番お伝えしたいことから!

バリュー株投資は難易度高めの投資手法。
中長期の視点に考えればインデックス投資一択と捉えるのがベター。

結論は上記の通り。
私がバリュー投資よりもインデックス投資をおすすめする根拠について述べていきます。

バリュー投資をシンプルに解説

バリュー投資とは、簡潔に説明すると割安な株式・投資信託に投資を行うことを意味します。
バリューは価値を指し、現在の株価がその企業の利益水準や現在・将来の資産価値などから、
判断して割安に放置されている状態にある株式を購入する投資手法

個別銘柄の代表的な投資尺度であるPER(1株当たりの当期純利益)、
BPS(1株当たりの純資産)、 PBR(1株当たり純資産)などを判断材料とします。
これらの数値の低い銘柄を買いつけ、株価が値上がりした局面で株式を売却することで、
利益を獲得していく投資手法になります。
 
一方、成長性に着目して銘柄選択をし株式・投資信託に投資を行うことがグロース投資
グロース投資では、投資を行う際に指標とするBPS、PER、PBRなどをさほど重視せずに、
セクターや企業の将来的な成長性に重きをおくことがほとんど。
シンプルですが、バリュー投資、グロース投資の基礎的な考え方については以上の通り。

現状の米国経済に即したバリュー投資とは?

現状の米国経済にあてはめる形で、バリュー投資のイメージをしていきましょう。
本記事執筆時点の2022年1月では、米国経済の転換期を迎えている状況になります。
COVID‑19のパンデミック後の金融政策として、FRB(米連邦準備理事会)が、
2022年中に3〜4回のテーパリング(金融緩和引き締め政策)を行いバランスシートの縮小に着手。
米国債や住宅ローン担保証券の資産買い入れプログラムを縮小させることを決定となりました。

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世界経済のネタ帳より
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世界経済のネタ帳より

並行する形で米国内で進行中のインフレを脱却に向け、
テーパリング終了後に金利を引き上げをする意思が表明
されました。
長期金利が上昇することで、高PERであるハイテク企業の株式が売却傾向に繋がります。
なぜなら、株式と金利はシーソーのような逆相関の関係があり、
高バリエーションのハイテク株は金利上昇の局面では株価が上昇しづらい傾向になります。

反対に、COVID‑19のパンデミックにより、
業績悪化で大きな打撃を受けてしまった割安で放置されていた銘柄に注目が集まっています。
代表的なものとしては、航空株、クルーズ株、ホテル株、エネルギー株、通信株など。
米国経済における現状の政策転換を考慮すると高いPERのハイテク株よりも、
上記のようなバリュー銘柄に投資を行う方が目先では、
投資妙味が大きいと考えるのが現状の米国経済に即したバリュー株投資
になります。

上記のセクターサイクルをチェックしていくと、
現段階での米国株市況を踏まえると下半分に市場資金が流入していくことが予測
雇用統計、個人消費支出、ISM製造業景況指数、主要企業の決算などの推移が、
2022年のバリュー株投資でリターンを確保する上で肝になる指標になってきますね。
いずれにしても、2020年、2021年のようにグロース銘柄が突出して強かったマーケットとは、
2022年においては大きく様変わりしていくマクロ環境である
ことを踏まえる必要があります。

バリュー投資・インデックス投資の比較

ここではバリュー投資とインデックス投資のパフォーマンス比較の観点から解説。
なぜバリュー投資とグロース投資の比較ではないのか?の疑問について説明を加えます。
米国を代表するインデックスとしてS&P500は、非常に有名な米国経済を示す指数。

S&P500については、約500社の中型~大型の時価総額加重平均で株価が算出。
内訳を確認すると、高PERであるハイテクが占める割合は現段階で約29%です。
うちGAFAM、Tesla、NVIDIAの組み入れ企業比率は約28%と非常に高水準。
先述の通り時価総額加重平均の原理に従い株価が算出されるので、
2022年ではどのような組み入れセクター・企業が推移するかは不明。

しかし、間違いなくいえることとしては、
米国経済を代表する経済指数のS&P500といえども、
ハイテクが実に約3割を占めらていることからグロース要素がしっかり含まれていること。

以上から、本記事ではグロース投資よりもインデックス投資を比較対象にすることで、
バリュー投資の強み・弱みを含めた特徴がより鮮明になると考えたからです。
比較対象のETFとしては、以下を使用。

VTVVOO
運用会社The Vanguard Group, Inc.,The Vanguard Group, Inc.,
ベンチマークCRSP US Large Cap Value IndexS&P500
投資企業数約350社約500社
設定日2004年1月2010年9月
運用総額692億$2,595億$
分配金利回り約2.15%約1.24%
経費率0.04%0.03%
                                         The Vanguard Group, Inc.,より
VTV組入比率VOO組入比率
1Berkshire Hathaway Inc.2.90%Apple Inc.6.70%
2UnitedHealth Group Inc.2.60%Microsoft Corp.6.40%
3JPMorgan Chase & Co.2.60%Alphabet Inc.4.30%
4Johnson & Johnson2.50%Amazon.com Inc.3.90%
5Procter & Gamble Co.2.20%Tesla Inc.2.40%
6Pfizer Inc.1.80%NVIDIA Corp.2.10%
7Bank of America Corp.1.70%Meta Platforms Inc.2.00%
8Broadcom Inc.1.40%Berkshire Hathaway Inc.1.30%
9Exxon Mobil Corp.1.40%JPMorgan Chase & Co.1.20%
10Abbott Laboratories1.40%Home Depot Inc.1.10%
                                         The Vanguard Group, Inc.,より

VOOはS&P500に連動するETFとして、著名なETFである一方、
VTVについては、あまり聞きなれないかもしれないので、概要を解説します。
そもそも、VTVのベンチマークになっている CRSP US Large Cap Value Indexに関しては、
まずは時価総額をベースに各企業をLarge、Mid、Smallに大分類します。
Largeに分類された銘柄をGrowthとValueにカテゴリーわけされ、
Valueに分類された銘柄をBPS、EPS、PER、BPSなどからランキングし四半期で中身が更新。

つまり、VTVはハイテクなどのグロース株を避け、割安感を重視する投資家に適しており、
米国のバリュー株投資を分散的かつ効率的に行う実行可能なETFと位置づけになります。
VTVのこうした特徴を考慮し、バリュー投資の対象として選定。
【米国株ETF】VTVの特徴とは?結論:大型バリュー株へ効率良く分散投資可能!では 、
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約1年のVTVパフォーマンス:約23%

約1年で両者を比較すると、パフォーマンスは互角。
目先でいかにバリュー銘柄が健闘しているかをうかがい知れるパフォーマンスです。
下落幅、上昇が比較的マイルドでボラティリティ(株価の変動)がやや低めなのも特徴。

約1年のVTVパフォーマンス(約23%)VOOパフォーマンス(約23%)

約3年・5年で両者を比較すると、パフォーマンスに明確にギャップが生じています。
VOOにはGAFAMを中心とするテクノロジーセクターの目覚しい成長を取り込んでいることが、
主たる背景としてあげれます。過去をさらに振り返れば、両者の差は一層歴然。

約3年のVTVパフォーマンス(約56%)VOOパフォーマンス(約83%)

先述の通りセクターサイクルはあれどここ数年では、
バリューを大きく上回るグロースの進展が顕著な差となっていることがわかります。
約5年で両者をみると、VOOがVTVに対して+約41%と大きくアウトパフォームする結果

約5年のVTVパフォーマンス(約80%)VOOパフォーマンス(約121%)

いずれも、長期投資の過程では暴落や調整局面に必ず遭遇する時がきます。こうしたシーンでは、
キャピタルゲインを獲得していくことが厳しくインカムゲインを着実に得ていく投資戦略も有効。
VTI(あるいはVOO)、QQQなどのインデックス投資を軸に高配当ETFを組み合わせることで、
暴落・調整時における耐性を高めていくことができます。
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バリュー投資の考え方と手法

冒頭でもお伝えの通り中長期的な視点では、バリュー投資よりもインデックス投資の方が、
トータルリターンで高パフォーマンスである可能性が高いと私は考えております。

根拠については、以下の通りになります。

・VOOをアウトパフォームし続けるには、力強いグロースを取り込むのが必須
・バリュー企業の決算がグロース企業の決算よりも優れた内容をだし続けるかが疑問
・モメンタムでバリュー優勢だが、インフレや金利上昇の度合い次第で大差がつくかは微妙

私自身、大学在学時に投資のバイブル『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~
と出会いインデックス投資と並行する形でバリュー投資を積極的に実行していた経験があります。
本著が投資家必見の本質的な内容であるのは、間違いありません。
中でも成長の罠、配当再投資戦略の有用性に関する記述には、心動かせる魅力が強くありました。

実際に本著の影響を受けリーマンショック前後でJNJ・PG・KOへの投資を行い、
JNJとPGに関しては現在でも、自身のポートフォリオの部分に組み入れております。

もちろんですが、両銘柄ともよほどのことがない限り売却する意思はありません。

一方で、バリュー投資を実践し続けたからといって、
S&P500インデックスのリターンをアウトパフォームし続ける可能性については、
極めて難しいと先に述べた理由・背景から私は考えております。

あくまで、バリュー投資にこだわるならば、継続的な指数超えを狙うのではなく
モメンタムが続くと想定される時期を絞り、1回転である程度のリターンを獲得するトレード。

ただし、割安で仕込んで割高圏内で売却する見極めが求められ難易度は地味に高めです。

あるいは、長期目線でコアとして地に足つけるようにインデックス投資着実に行い、
サテライトにバリュー投資を位置づけて実行していく選択はおすすめです。
私の場合、ポートフォリオのごく一部になりますが、
先述のJNJとPGはサテライトとして、11年にわたり保有を継続しています。

インデックスのようなグロース要素が少ないので、大きなキャピタルゲインは望めません。
ですが、特に現在のような状況においては、
グロースとは対照的に株価が下落しづらく、資産の目減りを避ける役割を担い続けています
近年ではいずれも買い増しをしていませんが、これからも長いつきあいになるでしょう。

【保存版】VTI+QQQ=最適解では私が8年、実践中の再現性の高いおすすめ手法を紹介。
VTIをコア、QQQをサテライトに位置づける戦略になります。ぜひあわせてご参照くださいね。

【鉄壁のディフェンス】プロクター・アンド・ギャンブル銘柄分析ではJNJ、
【攻守抜群】ジョンソン・エンド・ジョンソンの銘柄分析ではPGを詳細に解説。要チェックです。

まとめ

結論で述べた通り私は中長期視点では、
グロース要素をしっかり含んだインデックス投資が王道と考えております。

また、割安時の的確な仕込みに加え、割高局面でしっかり売却していく投資判断が、
求められるバリュー投資手法に関しては正直なところ、難易度が高い印象。

肝心なトータルリターンでは、短期でギャップが生じるかもしれません。
しかし、グロースが大きなリターンを生みだす可能性がこれからも高いです。
市場平均に忠実で、時価総額加重平均に従ったインデックス投資を愚直に、
実行し続けていく方が再現性が高く、多くの方におすすめできる投資手法
になります!

*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。

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