【米国株長期投資のおすすめヘルスケアETF】攻守に優れたVHTとは?

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
今回は「おすすめのヘルスケアETFであるVHT」がテーマです。
本記事は以下の読者様の課題解決にお役立てできる内容になっております。

・米国のヘルスケアセクターへの投資に興味があるけど何が良い?
・VTI、VOO、QQQ、VGTはよく聞くETFだけどVHTって一体何?
・VHT投資のメリット・デメリットはどのようなところ?

米国株投資を開始して間もない方では、
VHTが一体どのようなETFかイメージできない方も多いのではないでしょうか。
私自身も投資初心者の頃には、Vangard社がだしているよくわからないETFの印象でした。

また、個人的な話ですが私自身、米国に本社をおくヘルスケアカンパニーでの業務経験があり、
在籍時にはVHTに含まれている企業群のパワーを日頃から目のあたりにしていました。
商品力、開発力、販売力、人材力を痛感しながら日々の業務を行い、
どの企業もユニークで競争優位性のある素晴らしいヘルスケアカンパニーが多いのが素直な感想。

私のポートフォリオのコアであるVTIとの比較ではVHTはひけをとらない魅力的な投資対象で、
両者でどれくらいのギャップが生じるのか、について関心があり動向を追い続けています。
本記事を通じてVHTのメリット、デメリットを的確に認識し、投資判断にお役立てください。

VHTの結論:バランスに優れたヘルスケアセクターETF

早速ですが、本記事の結論から!

米国ヘルスケアセクターへ効率的に投資を行うVHTは、
オフェンス・ディフェンスともにバランスに優れたETFになります。
成長し続けるヘルスケアセクター投資を検討の際に、優先的に検討したい優秀な投資対象。

VTI(全米株式)に関しては米国約4,000社に対して、
時価総額加重平均に沿って投資を行う最もオーソドックスなETFの位置づけ。
VTIとの比較で、VHTの特徴がより鮮明になるので、理解を深めて頂く構成で解説を進めます。
王道のVTIについては【投資家必見】VTIをわかりやすく解説にて、
VTI投資の醍醐味を解説しています。コア投資に最適なETFなので、ぜひご理解を深めてください。

【保存版】VTI+QQQ=最適解では、VTIをコア、QQQをサテライトとする投資戦略を徹底解説。
約8年にわたり投資中です。読者様の適切なポートフォリオ構築にお役立てくださいね。

VHTの概要

ここではそもそもVHTとはどのようなETFかを解説。
VHT(Vanguard Health Care ETF)とは、米国The Vanguard Group, Inc.,が運用・販売するETF。
VHTの概要は以下の通りになります。

VHTVTI
運用会社The Vanguard Group, Inc.,The Vanguard Group, Inc.,
ベンチマークMSCI US IMI Health Care 25/50 IndexTotal Stock Market Index
投資企業数約440社約4,000社
設定日2004年1月2004年1月
運用総額207億$2,756億$
分配金利回り約1.37%約1.24%
経費率0.10%0.03%
                               The Vanguard Group, Inc.,より

VHTのベンチマーク「MSCI US IMI Health Care 25/50 Index」については、
米国ヘルスケア企業を対象に、大型株、中型株、小型株に分類されています。
VTIのベンチマーク「Total Stock Market Index」のヘルスケアセクターが抽出。
四半期(3ヶ月に1度)の頻度で構成銘柄の選定・銘柄数・比率などの見直しがなされます。

上位組み入れ企業

VHT組入比率VTI組入比率
1UnitedHealth Group Inc.7.50%Apple Inc.5.60%
2Johnson & Johnson7.10%Microsoft Corp.5.30%
3Pfizer Inc.5.20%Alphabet Inc.3.50%
4Thermo Fisher Scientific Inc.4.10%Amazon.com Inc.3.20%
5Abbott Laboratories3.90%Tesla Inc.2.00%
6AbbVie Inc.3.80%NVIDIA Corp.1.70%
7Eli Lilly & Co.3.50%Meta Platforms Inc.1.70%
8Danaher Corp.3.30%Berkshire Hathaway Inc.1.10%
9Merck & Co. Inc.3.10%JPMorgan Chase & Co.1.00%
10Medtronic plc2.20%Home Depot Inc.0.90%
                                       The Vanguard Group, Inc., より

上記はThe Vanguard Group, Inc.が公表している、
本記事執筆時点でのVHT・VTIの上位組み入れ企業の比較。強調すべき要点を整理していきます。

・VHTでは構成の上位10社で約43%、VTIでは構成の上位10社で約25%が構成。
・現状でUnitedHealth、Johnson&Johnson、Pfizer3社の組み入れ比率で約20%に及ぶ。
・上位10社のヘルスケア領域の細分バランス(次項で解説)が素晴らしく安定感抜群。

ヘルスケアセクター

VHT組入比率VTI組入比率
1Pharmaceuticals24.90%Technology29.50%
2Health Care Equipment19.70%Consumer Discretionary16.50%
3Biotechnology17.20%Industrials12.60%
4Life Sciences Tools & Services14.30%Health Care12.40%
5Managed Health Care11.40%Financials11.10%
6Health Care Services5.40%Consumer Staples4.40%
7Health Care Supplies1.90%Real Estate3.50%
8Health Care Technology1.90%Telecommunications2.60%
9Health Care Facilities1.80%Utilities2.60%
10Health Care Distributors1.50%Basic Materials1.90%
                                        The Vanguard Group, Inc., より

上記はVanguard Group, Inc.が公表している、
本記事執筆時点でのVHT・VTIの上位組み入れセクターになります。
VTIの4番目に位置づけられているヘルスケアセクターに焦点を絞っているのがVHT。
VHTでは、ヘルスケアセクターが100%なので、ここでは細分領域を記載しております。
テクノロジーに次いで成長産業であるヘルスケアセクターへの投資に特化しており、
上位〜下位までの約440社に対して分散投資を行うETFとして設計されています。

製薬、医療機器、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、ヘルスケアマネジメントなど。
ヘルスケセクターを縦割りとして、不足なく細分領域への投資をバランス良い配分で、
構成しており、ヘルスケアセクターへの包括的な投資が可能なのがポイント。
人類の生命維持に不可欠なヘルスケア領域を広くカバーしていることをおさえておきましょう。

VTH投資のメリット

ヘルスケアセクターをしっかりおさえるVHT投資のメリットを3つ整理していきます。

  • ヘルスケア産業は堅調に推移
    先述の通り人類の健やかな生命維持において、医療機器、製薬、バイオテクノロジーなど、
    ヘルスケアは必要不可欠なセクターとして位置づけられます。
    Kenneth Researchによれば、ヘルスケア製品市場は2022年で1兆600万$の市場から
    2030年までに2兆280万$に達する予測。2022〜2030年で8.5%の年平均成長の見込み。

    COVID-19によるパンデミック以降、とりわけ健康意識の高まりを背景にヘルスケア産業が、
    従来以上に強固な市場となり堅調な成長傾向が続いています。
  • 世界的な医療ニーズの高まり
    WHOが発表した2021年版の世界保健統計によると、世界全体の平均寿命は73.3歳。
    そのうち男性が70.8歳、女性が75.9歳。2000年の世界全体の平均寿命が70歳であったので、
    21年の期間で3歳ほど長寿になっています。ヨーロッパや日本を中心とする先進国では、
    高齢化がより一層進行し医療機関へのアクセス人口が増加していく傾向
    にあります。
    一方、新興国では若年層の人口増加に伴う医療体制の強化が求められている状況
    世界の人口構造から、グローバルにヘルスケアの需要は拡大していく流れになっています。

  • 長期投資の対象に最適
    後述する株式のパフォーマンスの観点からみても、ヘルスケアセクターは、
    他セクターと比較して競争優位性が高いことが歴史的にも証明
    されています。
    投資のバイブルであるジェレミー ・シーゲル著『株式投資の未来』においては、
    過去40年以上の長期で最も運用リターンが大きかったのはヘルスケアセクターであり、
    次いで生活必需品セクターと独自の研究から実証されています。先にあげた産業の進展、
    世界人口の傾向の観点から、ヘルスケアセクターは長期投資の対象向きであるのは明白。

VHT投資のデメリット

VHT投資のデメリットを3つ取りあげていきます。
VHTに関しては致命的なところはありませんが投資を検討される上で、
このようなところに気をつける必要がある箇所をまとめておきます。

  • 訴訟リスク
    米国企業である以上、トラブル解決に訴訟はつきものになります。
    ヘルスケアに限らず、テクノロジーなどでも訴訟の件数は他国と比較して米国は多いです。
    JNJでは2019年にベビーパウダー問題の訴訟で、21億$の賠償金支払いが確定。
    製薬メルクの特許訴訟、医療機器のメドトロニックの使用特許訴訟など。人命に関わる、
    ヘルスケアセクターゆえに企業訴訟による法的解決が多いのは宿命といえます。

  • 国策リスク
    米国の国策によりヘルスケアセクターがリスクに脅かされるケースは、
    多くはありませんが、政策転換などで影響を受ける可能性はゼロではありません。
    2019年に民主党議員が国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」法案を提示。
    日本と同等の国民皆保険を米国で導入する案です。これにより医療保険制度の不透明感が、
    高まりユナイテッド・ヘルスなどの医療保険会社の株価が一時大きく下落しました。

  • テクノロジーセクターとの比較
    後述するVTIとのパフォーマンスでも触れますが、過去数年で米国市場をリードし続けている
    テクノロジーセクターとヘルスケアセクターのパフォーマンス比較では、
    ヘルスケアセクターが若干劣る傾向。下記セクター循環の通り金利変動、景気動向などで、
    いずれのセクターパフォーマンス推移が異なるところは要チェックです。
    好景気時ではテクノロジーが優位。景気の後退局面ではヘルスケアが優勢になる傾向。
    ヘルスケアの場合、市場ニーズが安定しているので底堅く推移していくのが特徴です。

【米国株ETF】VTVの特徴とは?結論:大型バリュー株へ効率良く分散投資可能!にて、
バリュー銘柄に効率良く分散投資が可能なVTVを紹介。バリュー銘柄としてヘルスケアセクターを
バリュー銘柄を対象に広くセクター分散が効いたETF。あわせてご参照してみてください。

パフォーマンス確認

VHTの直近のパフォーマンスをチェックしつつ、
VTIと比較したパフォーマンス差とその背景、気になる点を解説していきます。
以降は本記事執筆時点の数値で収集のタイミングで異なりますので、その点をご了承ください。

約1年のVHTパフォーマンス

約1年で比較すると、両者のパフォーマンスではVTIの方が優位。
VHT:約3%に対して、VTI:約10%となっています。
現状ではFRBによるテーパリングや金利引き上げなどで市場環境が総じて悪化している状況。

約1年のVHT・VTIパフォーマンス比較

約3年で両者を比較するとVTIの優位性が際立ちます。
VHT:約50%に対して、VTI:約70%と約20%のギャップが生じています。
特に2020年3月末のコロナショック以降のVTIの進展は明白。
VTIに28%以上含まれているGAFAMを中心とするテクノロジーセクターの目覚ましい成長が寄与。

約3年のVHTパフォーマンス:約50%、VTIパフォーマンス:約70%

約10年で両者を比較すると逆転して、VHTの優位性が際立つ結果。
VHT:約333%、VTI:約290%と約43%の大きなギャップが生じています。
ハイテクセクターを一切含まないヘルスケアセクターのみのVHTが、VTIをアウトパフォーム。

約10年のVHTパフォーマンス:約333%、VTIパフォーマンス:約290%

約20年で両者を比較すると、やはりVHTが優位。
VHT:約513%、VTI:約463%と約50%の大きなギャップ。
もちろん、過去は未来を保証するわけではありませんが、長期になればなるほど、
ヘルスケアセクターの底力を発揮
。米国企業約4,000社を投資対象としている、
時価総額加重平均のVTIをしっかりアウトパフォームしているのは、注目すべき結果
といえます。

約20年のVHTパフォーマンス:約513%、VTIパフォーマンス:約463%

VHTのボラティリティ

VHTを判断していく上で、ボラティリティ(株価変動率)も要確認すべきポイント。
下記図は約5年の両者のボラティリティの推移になります。
VTIとの比較をしても、両者で大きな変動幅のギャップは生じていません。

ヘルスケアセクターのみで約440社への投資対象にも関わらず、
株価の変動幅が比較的低く、株価が底堅く推移しており、抜群の安定感
が素晴らしい。
長期で強く、ボラティリティが低いところにこそ、VHT投資の妙味であると私は考えます。

約5年のVHT・VTIボラティリティ比較

暴落や調整などでボラティリティの大きな局面では、株式の値上がり益の獲得が厳しい一方、
着実なインカムゲインを得ていく上で高配当ETFの利用価値が大いにあります。
【米国株投資】高配当ETFどれが良い?SPYD・HDV・VYM・VIG【比較】において、
人気の高配当ETF各種を徹底比較。ぜひあわせてご確認ください。

まとめ

以上より、VHTの特徴を述べてきました。
着実な成長を期待できるヘルスケアセクターETFであるVHTは、以下の方におすすめです。

・VTIやVOOをコアにしており、サテライトの位置づけとして投資対象を検討している
・ヘルスケア企業への投資に関心があるが、どの企業に投資すれば良いかわからない
・長期視点でヘルスケア企業群の成長を確実に取り込んでいきたい

私自身はポートフォリの一部としてJNJを保有し続けております。
JNJは世界を代表する総合ヘルスケア企業(製薬・医療機器・日用品)の位置づけ。
【攻守抜群】ジョンソン・エンド・ジョンソンの銘柄分析では銘柄分析を中心に、
業界分析も行なっております。ご参照頂くことでヘルスケアセクターの理解が深まる構成。

ヘルスケアセクターを広く、効率良く投資可能なVHTでは、
成長産業ならではの株価上昇(オフェンス)、景気に左右されづらい手堅さ(ディフェンス)
もちあわせた特性の優れたETF。
ぜひ皆様の投資判断の参考にしてください。

【長期投資向き米国株ETF】一般消費財セクターVCR【VTIとの比較】にて、VCRを詳細解説。
ヘルスケアセクターやテクノロジーセクターだけではなく、一般消費財セクターは、
米国市場のけん引役として欠かせない存在。長期投資家向けETFなので、必見の内容です。

*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。

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