こんにちは。甘鯛です。
今回は「2022年最新版VTIとVTの徹底比較」がテーマです。
本記事は以下の読者様の課題解決にお役立てできる内容になっております。
・VTIあるいはVTを購入したいけど手軽な投資手法は?
・VTIとVTでどこが違いになって、どちらを選べば良いの?
VTIとVTの比較については、米国株を含め投資をはじめようと考えている方や、
どちらか一方に投資中の方にとって、多くの方が疑問に生じるトピックではないでしょうか。
8年前からVTIに積極投資をし続けている私自身、
投資開始時に両者の違いや一体どちらに投資するのが最適なのか迷った経験があります。
また、現状でもVTIとVTの動向に対しては、両者とも魅力的な投資対象なので、
両者でどれくらいのギャップが生じるのかについて関心があり動向を追い続けています。
本記事では、2022年の最新版としてVTI・VTの両者を各項目から徹底比較。
VTI・VT選択の結論
早速ですが本記事の結論から!
いずれも素晴らしい投資対象ですが、こだわりがなければVTIの方がおすすめ。
上記をさらに端的に表現すれば、
長期投資においてVTI・VTは格好の投資対象であるといえます。
ただし、長期になればなるほど、VTIのパフォーマンスが優れていることに加え、
VT構成の約60%が米国であることを踏まえ、二者択一ならばVTIがベターと私は考えます。
以降では、本記事結論の根拠を複数の切り口から解説を進めていきます。
VTI・VTとは?
ここでは、そもそもVTIとVTが何かを解説します。
VTI・VTとは米国The Vanguard Group, Inc.,が運用・販売しているETF。
まずはVTI・VTの概要になります。
VTI(Vanguard Total World Stock) | VT(Vanguard Total World Stock) | |
ベンチマーク | Total Stock Market Index | FTSE Global All Cap Index |
投資企業数 | 約4,000社 | 約9,400社 |
設定日 | 2001年5月 | 2008年6月 |
運用総額 | 2,756億$ | 251億$ |
分配金利回り | 約1.21% | 約1.95% |
経費率 | 0.03% | 0.08% |
両者で大きく異なるなるポイントについては、以下の通り。
ベンチマークはTotal Stock Market Index。米国の株式市場のほぼ100%をカバー。
構成銘柄数は約4,000社で超大型〜中小型株までを網羅した投資対象。
VT
ベンチマークはFTSE Global All Cap Index。世界の株式市場の約98%をカバー。
米国、日本、欧州、新興国企業の約9,400社が投資対象。超大型〜中小型株までを網羅。
VT組み入れ諸国の比率
VTIの組み入れ対象は米国100%である一方、
VTに関しては世界が対象になっておりますので、構成諸国と組入比率を明示しておいます。
VT | 組入比率 | |
1 | United States | 60.0% |
2 | Japan | 6.1% |
3 | United Kingdom | 3.9% |
4 | China | 3.4% |
5 | Canada | 2.9% |
6 | France | 2.6% |
7 | Switzerland | 2.4% |
8 | Germany | 2.1% |
9 | Taiwan | 2.0% |
10 | Australia | 1.9% |
11 | India | 1.6% |
12 | Korea | 1.5% |
13 | Netherlands | 1.2% |
14 | Sweden | 1.1% |
15 | Hong Kong | 0.7% |
現状の構成諸国と比率を確認の上、要点を整理しておくと以下の3点。
・日本の構成割合が約6%で米国に次いで2番目に大きい。
・米国、日本、英国、中国、カナダの上位5カ国で約76%の構成。
上位組み入れ企業比較
VTI | 組入比率 | VT | 組入比率 | ||
1 | Apple Inc. | 5.60% | Apple Inc. | 3.43% | |
2 | Microsoft Corp. | 5.30% | Microsoft Corp. | 3.17% | |
3 | Alphabet Inc. | 3.50% | Amazon.com Inc. | 1.81% | |
4 | Amazon.com Inc. | 3.20% | Alphabet Inc. Class A | 1.07% | |
5 | Tesla Inc. | 2.00% | Tesla Inc. | 1.07% | |
6 | NVIDIA Corp. | 1.70% | Alphabet Inc. Class C | 1.03% | |
7 | Meta Platforms Inc. | 1.70% | Meta Platforms Inc. | 0.99% | |
8 | Berkshire Hathaway Inc. | 1.10% | NVIDIA Corp. | 0.88% | |
9 | JPMorgan Chase & Co. | 1.00% | UnitedHealth Group Inc. | 0.59% | |
10 | Home Depot Inc. | 0.90% | JPMorgan Chase & Co. | 0.58% | |
・ ・ ・ | ・ ・ ・ | ||||
14 | Procter & Gamble Co. | 0.81% | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. | 0.51% | |
15 | Visa Inc. Class A | 0.74% | Procter & Gamble Co. | 0.49% | |
16 | Pfizer Inc. | 0.68% | Nestle SA | 0.48% |
組み入れ企業の上位10社が資産総額に占める割合の比較では、
VTI:約25.9%、VT:約14.62%の構成となっています。
Apple、Microsoft、Google、Amazon、Teslaが占める割合については、
現状ではVTI:約23%、VT:約10.55%となっており、
世界をリードし続けているメガキャップの割合では、両者で構成比率にギャップがあります。
しかし、ここで注視したいのは、VTIとVTで上位10社の組入比率こそ多少の差があるにせよ、
両者の銘柄はほぼ同じであり、現段階でVTの上位10社は全て米国企業であること。
VTのベンチマークであるFTSE Global All Cap Indexにおいて、
世界を対象としているものの、時価総額加重平均(四半期のリバランス)で算出されることから、
結果的に米国にウェートがおかれている構成になっていることをおさえておきましょう。
ご参考までに上位10社以下でVTおいて、
米国以外の国の企業では14番目のTSM(台湾)、16番目のNestle(スイス)が主だったところ。
組み入れセクター比較
VTI | 組入比率 | VT | 組入比率 | ||
1 | Technology | 29.50% | Technology | 23.30% | |
2 | Consumer Discretionary | 16.50% | Consumer Discretionary | 15.10% | |
3 | Industrials | 12.60% | Financials | 13.70% | |
4 | Health Care | 12.40% | Industrials | 13.60% | |
5 | Financials | 11.10% | Health Care | 11.20% | |
6 | Consumer Staples | 4.40% | Consumer Staples | 5.80% | |
7 | Real Estate | 3.50% | Basic Materials | 4.10% | |
8 | Telecommunications | 2.60% | Real Estate | 3.70% | |
9 | Utilities | 2.60% | Energy | 3.60% | |
10 | Basic Materials | 1.90% | Telecommunication | 3.00% |
本記事執筆時点でのVTI・VTの組み入れセクターの比較。
セクター区分や比率で両者の若干の違いがありますが、ほぼ同等と考えて良い内容。
世界をけん引するテクノロジー、一般消費、ヘルスケアなど、
米国企業を中心に力強いセクターが両者ともにしっかり組み込まれているのが特徴。
時価総額加重平均に従い、バランス良くセクター分散をしながら投資可能な点は、
ETFであるVTI・VTならではの特性で投資家にとって利用価値は絶大といえます。
パフォーマンス比較
VTI・VTの直近〜中長期のパフォーマンス比較において、
どの時期をとってもVTIの方が高いパフォーマンスをマークしていることがわかります。
以降は本記事執筆時点の数値で収集のタイミングで異なりますので、その点をご了承ください。



約1年・約3年で比較すると、いずれもVTよりもVTIの方が優位。


約5年と10年で比較すると、両者パフォーマンスの差異が明確。
約10年ではVTI:約209%、VT:約173%で約36%のパフォーマンスの開きになっています。
ギャップの背景としては、両者の構成要素があげられますので事項で掘り下げて解説。
VTI・VTで差になる要素は?
両者パフォーマンスで差になる要因を端的に述べると、米国株の力強い成長があげられます。
米国比率100%のVTIが、米国比率約60%のVTをアウトパフォームし続けている結果。
とりわけ、現状で時価総額の壮大な米国テクノロジーセクターの躍進に支えられ、
VTIは現在まで着実なリターンをまたらしていることが明確になっています。
私自身のポートフォリオの主軸であるVTIについては、
【投資家必見】VTIをわかりやすく解説にて、各項目からVTIの内容を詳細に解説。
あわせてご確認頂くことで、VTI・VTの理解がさらに深まる構成ですのでご参照ください。

下記はVTで構成ウェートの大きい諸国の経済成長率(GDP)推移です。
特に米国の成長率の高さが目立つ動向が続いており、米国経済の強さが明白。
堅調な米国GDPの推移からもVTIのパフォーマンスの高さに反映されていることがわかります。

また、下記は約5年にわたるVTI・VTのボラティリティ(株価変動率)推移です。
株式投資におけるリスク要素として、
相場の方向性を示すボラティリティの大小は、長期投資において重要な判断基準。
両者ではボラティリティに関して、意外にも大差が生じておりません。
VTIの投資対象が米国100%であり、高PERのテクノロジーセクターを実質的に、
より多く含んでいるにも関わらず、VTI・VTで大きながギャップがないのは興味深いところ。

先述の両者の特徴を考慮しつつ、私が強調したい要点を3つ整理しておきます。
・どの時期から観測してもVTIの方がパフォーマンスが高い
・VTIとVTのボラティリティにおいて大きなギャップはない
景気動向、金融政策、地政学リスク、インフレ、長期金利の変動etc、様々な要因が絡みあうため、
今後も上記の傾向が必ず当てはまり続けるとは断定することはできません。
しかし、諸外国のGDP成長率の推移や実際のVTIのパフォーマンスを勘案すると、
今後も米国主体で経済成長が進展し続ける公算が大きいということは間違いないでしょう。
過去は未来を保証するわけではないですし、相場に入るタイミングや売買パターンなどによって、
今後の両者パフォーマンスでどの程度の差異が生じるかは誰にもわかりません。
しかし、長期視点では米国経済成長の恩恵をよりダイレクトに受けるVTIの方が、
多少なりともパフォーマンスに優れ続ける可能性が高いと私は考えています。
VTIと似た米国ETFで米国を代表する経済指数であるS&P500に連動するVOOがあります。
【2022年最新版】VTIとVOO(S&P500)どっちが良い?徹底比較では、
VTIとVOO(S&P500)を徹底比較しています。いずれも素晴らしいETFになりますが、
共通しているところ・異なるところなどをわかりやすく解説しておりますので、要チェック。
VTI・VT投資に関心がある方にとって、おすすめの情報収集について紹介しておきます。
個別株投資の情報だけではなく、株式投資の心構、大局的な相場の捉え方などの情報収集として、
オックスフォードインカムレター の活用が便利。投資助言の免許をもつAPJ Mediaによる、
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投資手法
VTI・VTへの投資手段としては、主に2つに分類されます。
- ETF
楽天証券やSBI証券などよりETFとして購入する手段。
日本円を米ドルに転換し米ドルで買いつけることで、低コストの運用がメリット。
リアルタイムで売買が可能で指値、逆指値による売却・購入ができるのも良いですね。 - 投資信託
楽天証券やSBI証券などでVTI連動、VT連動やそれに準ずる投資信託を購入する手段。
ETFのようにリアルタイムでの売買はできませんが、日本円で100円からの購入が可能で、
少額から手軽に運用ができます。おすすめの投資信託は下記の通り。
いずれも長期運用に向いており、低コストで素晴らしい投資信託ですので非常におすすめ。
・楽天全米株式インデックス・ファンド(通称:楽天VTI)
・SBI・V・全米株インデックスファンド(通称:SBI・V全米)
《VT連動の投資信託》
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(通称:楽天VT)
・SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(通称:SBI・V全世界)
《MSCI World連動の投資信託》*日本を除く世界が対象
・eMAXIS Slim全世界株式インデックスファンド(通称:eMAXIS Slim全世界株式)
まとめ
以上より、VTI・VTの比較を行なってきました。
繰り返しですが、いずれも長期投資の対象として優れた設計のETFであることは明白。
ただし、先述の通りボラティリティが同水準であるもののVTIの方が高パフォーマンスであり、
現状でVTの約60%が米国にやや偏重している構成も勘案すれば、個人的にはVTI一択です。
米国市場ほぼ100%をカバーし力強い米国経済の成長を直接的に取り込んでいきたい方
《VTがおすすめな方》
世界市場の約98%をカバーし投資国の分散を念頭に世界経済の成長を取り込んでいきたい方
VTI・VTがおすすめな方をそれぞれシンプルに整理すると上記の通りです。
両者とも着実に経済成長を狙う長期投資向けの格好の対象ですが、最終的には好みの問題。
本記事をぜひ皆様の投資判断のお役にたててくださいね!
【保存版】VTI+QQQ=最適解では、VTI・QQQを組み合わせた投資戦略を解説。
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