【米国株ETF】VTVの特徴とは?結論:大型バリュー株へ効率良く分散投資可能!

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
今回は「米国株のバリュー銘柄へ効率的な投資が可能なETFであるVTV」がテーマ。
本記事は以下の読者様の課題解決にお役立てできる内容になっております。

・バリュー株投資に興味があるけど何に投資すれば良いかわからない方、
・割安割高の判断が難しくて個別株銘柄の分析の自信がない方、
・コア(中心)サテライト(補完)投資のサテライトの候補を探している方、

米国株投資を開始して間もない方では、
VTVが一体どのようなETFかイメージできない方も多いのではないでしょうか。
私自身も投資初心者の頃には、Vangard社がだしているよくわからないETFの印象でした。

しかし、知名度こそ低いものの、VTVは利用価値のある素晴らしいETF。
VTV投資を行うことで、大型のバリュー株銘柄に対して効率的に分散投資が可能になるからです。
バリュー株投資とは簡潔にいえば、内在価値よりも割安に放置されている株式を判断し、
投資を行う手法。何だか難しそうですね。自身のバリュー投資での失敗は追って説明しますが、
実際には個別株のバリュー投資において割安・割高の適切な判断が特に難しいのが事実。

だからこそ、大型バリュー銘柄に手軽に分散投資ができるVTVを利用することで、
個別株投資における仕込み時あるいは売り時の難しいジャッジから解放されます。
また往々にして、VTV投資の方が高いパフォーマンスを安定して出し続けられるのも利点の1つ。

ほぼ全米市場をカバーするVTI(全米株式)とVTVを比較することで
VTVの特徴をより鮮明にし投資メリット、デメリットを各所から解説していく構成。
あわせて、VTVのおすすめの利用法についても取り上げていきます。

VTVの結論:バリュー投資を効率的に実行したい方向けのETF

早速ですが本記事の結論から!

VTV投資は、分散性に優れ効率良くバリュー株投資を行うことが可能。
難易度高めのバリュー投資を手軽かつ効果的に実行できる利用価値のあるETF。

米国株投資歴は13年になりますが、何を隠そう投資初心者の頃に、バリュー投資を見習い、
自分なりではありますがバリュー投資を実行していた経験があります。日米の個別株を対象に、
割安で仕込んで一定以上、利がのったら売却するトレード主体のバリュー投資スタイルです。
しかし、買い時・売り時の正確な見極めが難しく満足のいく実績を残すことができませんでした。

なぜなら、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの基準から株式が内在価値よりも、
割安あるいは割高であると判断するのは素人はもちろんプロにとっても難易度が高い
からです。
ましてや、S&P500やVTIなどの市場平均をアウトパーフォームし続けていくのは、至難の業。

私が強調したいのは、わざわざ自ら難しいことを選択するのではなくよりシンプルで、
効果的な手法を選ぶことを最優先にすべきだということ。バリュー投資の適切な選択がVTVです。

以降では結論の根拠について、各項目から掘り下げていきます。

【投資家必見】VTIをわかりやすく解説では、長期投資家にとって必須ETFであるVTIを紹介。
ポートフォリオのコアに据えるべき王道中の王道。多くの方にVTはおすすめ。必見の内容。

【2022年最新版】VTIとVOO(S&P500)どっちが良い?徹底比較にて、
VTIとVOO(S&P500連動)の徹底比較を行なっています。両ETFとも非常に素晴らしいですが、
共通するところ、異なるところをわかりやすく解説。ぜひご確認ください。

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VTVの概要

そもそもVTVがどのようなETFかを解説。VTV(Vanguard Value ETF)とは、
米国The Vanguard Group, Inc.,が運用・販売するETF。VTVの概要は以下の通りになります。

VTVVTI
運用会社The Vanguard Group, Inc.,The Vanguard Group, Inc.,
ベンチマークCRSP US Large Cap
Value Index
Total Stock Market Index
投資企業数約350社約4,000社
設定日2004年1月2004年1月
運用総額146億$2,756億$
分配金利回り約2.12%約1.24%
経費率0.04%0.03%
                               The Vanguard Group, Inc.,より

VTVのベンチマークとなる「CRSP US Large Cap Value Index」の特徴をまとめておきます。

・米国企業を対象に時価総額でLarge、Middle、Smallに大分類
・Largeに大分類された銘柄をGrowthとValueに分類
・Value銘柄を対象にEPS、BPS、DPS,PSRなどを基準にランキング
・四半期(3ヶ月に1度)の頻度で構成銘柄の選定・銘柄数・比率などの見直し


簡潔にいえばバリュー銘柄の選定について、
上記の通り合理的な判断基準より組成されるETFは個人投資家にとってありがたいところ。
個別企業の株式に対して割安・割高の判断を行いバリュー投資を行うのは、金融政策、企業決算、
市場の周辺環境などを複眼的に感情を排除しながら淡々と実行していくことにほかないからです。

上位組み入れ企業

VTV組入比率VTI組入比率
1Berkshire Hathaway Inc.3.10%Apple Inc.5.60%
2UnitedHealth Group Inc.2.50%Microsoft Corp.5.30%
3Johnson & Johnson2.40%Alphabet Inc.3.50%
4JPMorgan Chase & Co.2.30%Amazon.com Inc.3.20%
5Procter & Gamble Co.2.10%Tesla Inc.2.00%
6Exxon Mobil Corp.1.90%NVIDIA Corp.1.70%
7Bank of America Corp.1.70%Meta Platforms Inc.1.70%
8Chevron Corp.1.60%Berkshire Hathaway Inc.1.10%
9Pfizer Inc.1.50%JPMorgan Chase & Co.1.00%
10AbbVie Inc.1.50%Home Depot Inc.0.90%
                                          The Vanguard Group, Inc.,より

上記はThe Vanguard Group, Inc.が公表している、
本記事執筆時点でのVTV・VTIの上位組み入れ企業の比較。強調すべき要点を整理していきます。

・VTVは総じて、構成企業の組み入れ比率に偏りがなくバランスが良い印象
・VTVでは構成の上位10社で約20%、VTIでは構成の上位10社で約25%が構成
・組み入れ企業上位10社ではテクノロジー企業が1社も含まれずVTIとの重複がない

上述の通り現時点のVTVの構成企業を踏まえると、
特定企業に構成が偏重していないのは、個人投資家にとって嬉しいポイント。
また、現状で米国市場をリードするテクノロジー企業が上位10社の中で入っておりませんので、
VTI(全米株式)やVOO(S&P500)と異なる値動きを期待することができる構成です。

組み入れセクター

VTV組入比率VTI組入比率
1Financials21.00%Technology29.50%
2Health Care18.70%Consumer Discretionary16.50%
3Industrials13.80%Industrials12.60%
4Consumer Staples10.80%Health Care12.40%
5Technology7.00%Financials11.10%
6Energy6.90%Consumer Staples4.40%
7Utilities5.70%Real Estate3.50%
8Consumer Discretionary5.50%Telecommunications2.60%
9Telecommunications5.10%Utilities2.60%
10Real Estate3.20%Basic Materials1.90%
                                       The Vanguard Group, Inc.,より

上記はVTVとVTIの組み入れセクター。
VTVでは、金融、ヘルスケア、工業の上位3セクターで約53%を占めています。
やや金融セクターが多い印象ではあるもののの、他は特定のセクターに偏った構成でありません。

特徴的なのはVTVではテクノロジーセクターが約7%の一方、VTIでは約29%と約4倍のギャップ。
現段階で米国市場をリードし続けるテクノロジー企業群をより多く含むVTIとVTVでは、
こうした組み入れセクター構成の違いがキャピタルゲインの差を生みだす背景
となっています。

【米国株の疑問解消】バリュー投資?インデックス投資?2022年最新動向において、
バリュー投資とインデックス投資を対比させ両者のメリット、デメリットを掘り下げています。
両投資手法のバランスこそが長期投資の成功の要。ぜひご参照ください。

VTV投資のメリット

VTV投資を行うメリットを整理していきます。

  • 管理が容易であること
    私が考えるVTV投資の1番のメリット。繰り返しですが、バリュー投資自体の難易度が、
    やや高めで個別株の運用管理が手間になります。割安・割高判断を判断を的確に行うのが、
    バリュー投資の本質
    なので、見極めを誤るとパフォーマンスに影響が生じるからです。
    よって、バリュー投資を長期目線で行う際のベターな選択がVTV投資といえます。

  • バリュー投資では特に嬉しい分散性
    バリュー投資を個別株で実行しようとすると、分散性に欠けるのがネックポイント。
    VTVを利用することで、大型企業約350社に対して割安・割高判断を先にあげた基準より、
    分散性を念頭におきながら自動で投資可能
    です。四半期(3カ月に1度)で、選定対象、
    比率などを見直される
    のもありがたいところ。個人管理ではハードルが高いからです。

  • サテライト投資として利用しやすい
    おすすめはまず、市場平均のリターンを獲得するVTIやVOOをコア(中心)に固定。並行し、
    VTVをサテライト(補完)としバリュー投資の実践。こうしたコア・サテライト投資で、
    市場平均リターン+バリュー銘柄によるリターン獲得に繋げていくことが可能。VTVは、
    先述の通りVTIやVOOと異質な値動きをするのでサテライト利用で投資妙味があります。

VTV投資のデメリット

VTV投資のデメリットをあげていきます。
ただし、いずれも致命的なものではなく捉え方や利用次第になります。

  • バリュー投資 ≠ 高配当
    バリュー投資は先に述べた通り、内在価値よりも割安感のある株式銘柄に投資を行う手法。
    よって、バリュー投資は必ずしも高い配当や分配金が期待できる手法ではありません。
    約2%の分配金利回りですので、決して低い配当ではありませんが高配当が魅力のSPYD、
    HDVなどと比較するとVTVの分配率はやや低めの水準になっています。
    【米国株投資】高配当ETFどれが良い?SPYD・HDV・VYM・VIG【比較】において、
    4つの人気の高配当ETFを複数の切り口から徹底比較。高配当重視の方は要チェックです。
  • 市場平均をアウトパフォームし続ける可能は低い
    詳細は次項にて確認していきますが、例えば市場平均であるVTIをコンスタントに、
    アウトパフォームし続けるのはVTVには難しい
    です。より正確にいえば市場平均に、
    沿った設計ではありません。VTVは市場平均のキャピタルゲインを狙う投資手法ではなく、
    バリュー投資を根本的な目的にしているので正確には比較対象ではありません。
    しかし、市場平均を毎年勝ち続けていくのが困難である事実をおさえておきましょう。

  • セクターローテーションの影響を受けやすい
    VTVに限らず株式の動向は、景気や政策金利によって大きく左右されます。例えば、
    VTVで約21%を占める金融セクターは景気敏感セクターであり、文字通り、
    景気の影響を受けやすいセクターの代表格。市場平均であるVTIの約2倍になりますので、
    セクターローテンション(景気循環)の際には、注意する必要があります。

パフォーマンス確認

VTVの直近のパフォーマンスをチェックしつつ、
VTIと比較したパフォーマンス差とその背景、気になる点を解説していきます。
以降は本記事執筆時点の数値で収集のタイミングで異なりますので、その点をご了承ください。

約1年のVTVパフォーマンス:約15%
約1年のVTV(青):約15%、VTI(紫):約12%

ご覧の通り約1年の期間では、VTVがVTIをわずかにアウトパフォームしています。
主な要因はFRBにより政策金利の引上げが表明され、高PER株であるテクノロジー企業の株式が、
売られる傾向が現時点で継続。反対に割安で放置されていたバリュー銘柄が堅調に推移中です。

約5年のVTVパフォーマンス:約79%
約5年のVTV(青):約79%、VTI(紫):約108%

上記は約5年のVTVとVTIの比較。
VTV:約79%に対してVTI:約108%となっており、それなりのギャップが生じています。
GAFAMを中心とするテクノロジーセクターの躍進を受け、テクノロジー企業群を多く含む、
VTIがVTVを上回るリターンとなったのは明白。
また、2020年3月末に発生のコロナショックでは、
VTIの下落が−約32%でVTVが−約33%と大差はなく、以降はVTIがVTVに差をつけ成長しました。

約10年のVTVパフォーマンス:約233%
約10年のVTV(青):約233%、VTI(紫):約280%

約10年のより長期スパンで両者を比較すると、VTIが約2.8倍、VTVが約2.3倍の結果で、
やはり市場平均に忠実なVTIがVTVにそれなりの差をつける形でアウトパフォームしています。
過去のパフォーマンス実績やバリュー投資の特徴を踏まえ、おさえておくべき要点は以下の通り。

・長期で検討すれば市場平均であるVTIが優勢
・政策金利や景気動向によって強弱はあるもののVTVのパフォーマンスは安定
・バリュー投資手法にこだわりがなければ、VTIあるいはVOO一本でも十分

VTVのボラティリティ

ここでは長期投資を行う上で、欠かせないボラティリティ(株価変動率)をチェックします。

上記は約5年のVTV・VTIのボラティリティ比較。
簡潔にいえば、両者で大差が生じていないのがわかります。
ただし、テクノロジーセクターをより多く含むVTIの方がVTVよりもボラティリティが若干高め。

先にあげた通り、とりわけ直近のFRBにより政策金利の引き上げ表明を受け高PERである、
テクノロジー企業群の構成が多いVTIのボラティリティの高さが目立っています。
長期の観点からVTVのボラティリティは高くはないので、安心して投資を行うことができます。

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まとめ

以上より、大型バリュー銘柄に分散投資が可能のVTVの特徴を取りあげてきました。
VTV投資のおすすの方、おすすめの保有スタイルについて、改めて整理しておくと以下の通り。

・割安の銘柄を広くカバーし分散投資をしたい方
・難易度高めのバリュー投資を効率良く実行したい方には最適な選択
・VTIあるいはVOOをコア(中心)、VTVをサテライト(補完)とする投資法がおすすめ

バリュー投資の実績を大きく左右するのは、
いかに内在価値よりも割安で放置されている銘柄に注意を払い適正価格で仕込んでいくこと。

しかし、”言うは易く行うは難し”で、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)はもちろん、
金融政策や景気動向を踏まえながら株式の割安・割高判断を的確に行うのは簡単ではありません。
また、複数のバリュー株銘柄を数多く管理するのは個人投資家に負担になり、
肝心な長期投資の継続が困難になる可能性も現実的に理解しておくべき必要があります。

だからこそ、バリュー投資を目指す場合には、シンプルにVTVを利用することで、
広範囲に分散が効かせ、適切な銘柄選定を自動で行うETFとして利用価値が大いにあります。

ぜひ長期投資の選択肢としてご検討してみてくださいね。

*投資活動は、あくまで自己判断でお願い致します。

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