【米国ETF】VUGとは?QQQ・VGTとの徹底比較【2022年最新版】

米国株投資

こんにちは。甘鯛です。
今回は米国ETFであるVUGを類似のQQQ・VGTとの比較の観点から解説。
本記事は以下の読者様の課題解決にお役立てできる内容になっております。

・米国のテクノロジーセクターへの投資に興味があるけど何が良い?
・QQQとVGTってよく聞くけど、VUGはどのようなもの?
・結局のところ、VUG・QQQ・VGTどれを選べば良いの?

QQQ・VGTについては、
米国株投資をはじめようと考えている方や、投資中の方でご存じの方も多いでしょう。
ですが、VUGに関してはQQQ・VGTと類似点が多い素晴らしいETFにも関わらず、
あまり目立たない印象で今回はQQQ・VGTと比較する形でご紹介していきます。

約8年間にわたりQQQを積極的に投資し続けている私自身、
実は投資間もない頃にQQQとVGTで投資対象を選ぶ際に非常に迷った経験がありますが、
VUGについてはお恥ずかしながらQQQへの投資開始の約1年後に存在を知りました。

VUG・QQQ・VGTはいずれも魅力的な投資対象で、それぞれ共通項も多いETFですが、
異なるところもありますので、3ETFを比較しながら的確に整理していく構成。
本記事では2022年の最新版として、VUGについてQQQ・VGTと徹底比較し掘り下げていきます。

QQQ・VGTの比較を踏まえたVGUの結論

早速ですが本記事で1番お伝えしたいことから!

VUG・QQQ・VGTはテクノロジーセクターを多く含むETF。


・VUG:特定のセクターに限らず大型グロース企業約280社が投資対象
・QQQ:NASDAQ100に連動で投資対象が約100社
・VGT:テクノロジーセクターに限定され投資対象が約330社

3ETFどれも素晴らしいパフォーマンスですが、迷ったらQQQを選択されるのがおすすめ。

VUGを端的に表現すれば、テクノロジーセクターやNasdaq上場企業に限定されるものではなく、
時価総額加重平均で大型グロース企業約280社への投資を目指す設計のETF
の位置づけです。
よって、VTI(全米株式)やVOO(S&P500)構成上位を圧縮し組成したイメージ。

現状の米国の成長産業の代表格で構成の多くを占めるテクノロジーセクターへの投資において、
VUG・QQQ・VGTのETF投資が効率的で、中長期で高いリターンを期待することができます。
ただし、保有期間がより長期になればQQQ保有が優位になる可能性が高くなる傾向。
以降では複数の項目から3ETFの特性がより明確になるように検討していきます。

【2022年最新版】VTIとVOO(S&P500)どっちが良い?徹底比較にて、
VTI・VOOの詳細比較を行い両ETFの共通している箇所、異なる箇所をわかりやすく解説。
米国株投資にとって、VTIあるいはVOOはコアに据えるべき最重要ETFですので必見です。

【攻めのETF】QQQをわかりやすく解説では、QQQにフォーカスし詳細を解説。
あわせてご確認頂くことで、QQQの理解が深まる構成となっているのでぜひご参照ください。

【2022年最新版】QQQとVGTどっちが良い?徹底比較においては、
QQQとVGTの両ETFを対比させ各々の特徴を解説しています。こちらも要チェック。

VUGとは?QQQ・VGTとの概要比較

ここでは、VUGの概要についてQQQ・VGTと比較しながら確認していきます。
QQQは、米国Invesco Ltd.が運用・販売するETF。
一方、VUG(Vanguard Growth ETF)VGT(Vanguard Information Technology ETF)については、
米国The Vanguard Group, Inc.,が運用・販売しているETF。3ETFの概要は以下の通りです。

VUGQQQVGT
運用会社The Vanguard Group, Inc.,Invesco Ltd.The Vanguard Group, Inc.,
ベンチマークCRSP US Large Cap
Growth Index
Nasdaq 100 IndexMSCI US Investable Market
Information Technology
投資企業数約280社約100社約330社
設定日2004年1月1999年3月2004年1月
運用総額793億$2,009億$549億$
分配金利回り約0.42%約0.52%約0.76%
経費率0.04%0.20%0.10%
                              Invesco Ltd.、The Vanguard Group, Inc.,より

3つのETFの概要で注視すべきポイントをあげておきます。

VUG
ベンチマークはCRSP US Large Cap Growth Index。
特定のセクターや上場先は限定されず、大型グロース企業約280社の時価総額加重平均。
構成セクターは、テクノロジー、ヘルスケア、一般消費、生活必需品など。

QQQ
ベンチマークはNasdaq 100 Index。
約3,300社が上場するNasdaqのうち時価総額の上位約100社の加重平均。
構成セクターは、テクノロジー、ヘルスケア、一般消費、生活必需品など。

VGT
ベンチマークはMSCI US Investable Market Information Technology。
投資対象としては米国の大型、中型、小型のテクノロジー企業約330社。
テクノロジーセクターに特化したETF。

上位組み入れ企業比較

VUG比率QQQ比率VGT比率
1Apple Inc.11.71%Apple Inc.11.81%Apple Inc.20.55%
2Microsoft Corp.10.68%Microsoft Corp.9.80%Microsoft Corp.17.75%
3Amazon.com Inc.6.08%Amazon.com Inc.6.87%NVIDIA Corp.6.14%
4Alphabet Inc.(A)3.69%Meta Platforms Inc.4.84%Adobe Inc.2.40%
5Tesla Inc.3.59%Tesla Inc.4.56%Visa Inc.2.31%
6Meta Platforms Inc.3.37%NVIDIA Corp.4.04%salesforce.com, Inc.2.10%
7Alphabet Inc.(C)3.30%Alphabet Inc.(A)3.69%Mastercard Inc.2.09%
8NVIDIA Corp.2.95%Alphabet Inc.(C)3.49%Cisco Systems, Inc.1.74%
9Home Depot Inc.1.83%Cisco Systems Inc.1.78%Broadcom Inc.1.71%
10Visa Inc.1.48%Broadcom Inc.1.74%Accenture PLC1.70%
                               Invesco Ltd.、The Vanguard Group, Inc.,より

上記はInvesco Ltd.・Vanguard Group, Inc.が公表している、
本記事執筆時点でのVUG・QQQ・VGTの上位組み入れ企業の比較。各々の要点は以下の通り。

・VUG・QQQの上位10社の構成は約50%、VGTは約58%となっている。
・QQQでは、GAFAM +Tesla +NVIDIAの構成が現状で約49%と概ね半分。

・VGTでは、Amazon、Google、Meta、Teslaはテクノロジーに分類されず含まれない。
・Apple、Microsoftの割合は、VGT:約38%、VUG:約22%、QQQ:約21%。
・QQQにはVisa、Mastercardが含まれておらず、VUG・VGTでは上位に含まれている。

いずれも現段階でマーケットをリードし続ける米国のテクノロジーを多く含んでいるのが特徴。
ですが、VUG・QQQ・VGTで異なる要素も少なからずありますのでおさえておきましょう。

組み入れセクター比較

VUG比率 QQQ比率 VGT比率
1Technology50.10%Information Technology50.88% Systems Software22.00%
2Consumer Discretionary24.0%Communication Services18.40%Technology Hardware, Storage & Periphera21.80%
3Industrials10.50%Consumer Discretionary16.61%Semiconductors18.40%
4Health Care7.6%Health Care5.52%Application Software13.40%
5Real Estate2.5%Consumer Staples5.19%Data Processing & Outsourced Services9.70%
6Financials2.1%Industrials2.77%IT Consulting & Other Services3.40%
7Basic Materials1.2%Utilities0.93%Semiconductor Equipment3.30%
8Telecommunications 0.8%Communications Equipment2.80%
9Consumer Staples0.6 %Internet Services & Infrastructure2.20%
10Energy0.4%Electronic Manufacturing Services0.70%
                                         Invesco Ltd.、The Vanguard Group, Inc.,より

上記はInvesco Ltd.・Vanguard Group, Inc.が公表している、
本記事執筆時点でのVUG・QQQ・VGTの上位組み入れセクターになります。
ただし、VGTに関してはテクノロジーセクターがほぼ100%なので、細分領域を記載。

VUG・QQQでは、力強い米国市場の成長を象徴するテクノロジーが約半分が占められています。
続いて通信、一般消費、生活必需品、ヘルスケア、資本財などでセクターで構成。
とはいえ、現状ではテクノロジーの時価総額が壮大なので約50%となっております。

特筆すべきは、VUGのベンチマークであるCRSP US Large Cap Growth Index。
大型グロース企業の株式(約280社)の時価総額加重平均で算出されます。
本インデックスにおいて、大型グロース企業に定義される条件は以下の通り。

・短期EPS成長予想
・EPS成長の過去3年実績
・売上高成長の過去3年実績
・総資産に対する短期投資比率
・総資産利益率ROA

平たくいば、短期・中期で売上と利益をきちんともたらしている高い競争力のある企業が該当。
結論で述べた通りイメージとしては、VTI(全米株式)やVOO(S&P500)上位280社を取りあげ、
時価総額加重平均の原理にそって株価を弾きだす仕組み
。四半期で構成の見直しがなされます。

QQQに関しては、Nasdaqに上場する上位約100社の時価総額加重平均に沿って、
セクター分散投資がなされているのはQQQの特徴としてあげられます。
一方で、VGTでは、セクター構成の100%がテクノロジーであることが特徴。
テクノロジーセクターの縦割りETFで投資対象が約330社。上位〜下位までを広くカバー。

ここまでについて、VUG・QQQ・VGTを4つの観点からまとめておくと、以下の通り。

VUGQQQVGT
テクノロジーセクターの構成率
多種セクターへの分散性×
構成銘柄数の多さ
経費の安さ


景気動向として、テクノロジーセクターが強い局面では、特にVGTは恩恵を受ける傾向が高く
近年ではとりわけ構成比率の高いApple、Micrsoftの大きな成長を享受する結果になりました。
反対に金融政策、金利変動、インフレなどの相場転換期には高PERであるハイテク企業にとって、
逆風な状況になりセクター分散に乏しいVGTは打撃を受けやすい傾向になります。

【2022年トレンド】仮想通貨保有がおすすめな理由【相関ポイント提示あり】では、
仮想通貨との相関性の観点から2022年に米国経済が直面するリスクイベントを大局的に整理。
とりわけ、米10年国債の変動、長期化するインフレ、政策金利の引き上げは、
高PER企業の株式を多く含むVUG・QQQ・VGTに大きな影響を与える要素。ぜひご確認ください。

パフォーマンス比較

VUG・QQQ・VGTの直近のパフォーマンスに大差はありません。
近年パフォーマンスのギャップとその背景、気になる点を解説していきます。
以降は本記事執筆時点の数値で収集のタイミングで異なりますので、その点をご了承ください。

約1年のVUGパフォーマンス
約1年のQQQパフォーマンス
約1年のVGTパフォーマンス

約1年で比較すると、3ETFのパフォーマンスはほぼ互角になります。
執筆時点ではテーパリング、インフレなどによる影響を大きく受けている状況。

約5年のVUG・QQQ・VGTパフォーマンス比較

約5年でVUG:約148%、QQQ:約182%、VGT:約228%とそれなりにギャップが生じています。
3ETFの中でApple、Microsoftの組み入れ比率が最も高いVGTのに軍配があがっています。

約10年ではVUG:約366%、QQQ:約512%、VGT:約560%の結果
参考までに米国の代表指数であるS&Pに連動するVOOの約10年のパフォーマンスが約295%です。
同期間でVOOの1.7倍超のリターンをあげたQQQ・VGTが、凄まじい成長を遂げているのは明白。
米国のテクノロジー企業が過去10年でいかに市場を大きくけん引し続けているかがわかります。

VUG・QQQ・VGTどこで差がつく?

結論でも述べた通り、VUG・QQQ・VGTのいずれかで迷われているならばQQQがおすすめ。
3ETFとも中長期の視点ではVOO(S&P500)をアウトパフォームし続けていますし、
どれを選択したとしても申し分ないほどに優秀なETFであることに異論はありません。

約10年のVUG・QQQ・VGT・VOOのボラティリティ(株価変動率)

しかし、上記を考慮しても個人的にはQQQがより魅力的な投資対象であると捉えています。
簡潔に理由を述べると、3ETFの中で最もバランスに優れているからです。
具体的には、約100社の中で時価総額加重平均型でセクター・銘柄分散がなされていること。
加えて、上記10年のボラティリティ推移からわかる通り、
QQQはVGTに劣らないパフォーマンスでありながらボラティリティは比較的低め。
約100社の中でしっかり分散が効いていることがQQQの絶妙なバランスに繋がっています。

上記チャートは、約18年のVUG・QQQ・VGTのパフォーマンス比較。
VUG:約593%、QQQ:約979%、VGT:約873%と通算で大きな差になっています。
過去は未来を保証されるわけではないですし、相場に入るタイミングや売買頻度などによって、
尺度は異なりますが、長期になればなるほどQQQが優位になる傾向になっています。

投資手法 & おすすめの情報収集

VUG・QQQ・VGTへの投資手段としては、主に2つに分類されます。

  1. ETF
    楽天証券やSBI証券などよりETFとして購入する手段。
    日本円を米ドルに転換し米ドルで買いつけることで、低コストの運用がメリット。
    リアルタイムで売買が可能で指値、逆指値による売却・購入ができるのも良いですね。
  2. 投資信託
    楽天証券やSBI証券などでNasdaq100(QQQ)に連動する投資信託を購入する手段。
    ETFのようにリアルタイムでの売買はできませんが、
    日本円で100円からの購入が可能で、少額から手軽に運用ができます。
    おすすめの投資信託は「iFree NEXT NASDAQ100 インデックス」
    長期運用に向いており、低コストで素晴らしい投資信託ですので非常におすすめ。
    ちなみに、VUG・VGTに連動するものは、投資信託としては現在ありません。
    VUG・VGTに投資したい方は、ETFを購入する以外の投資手段はありませんので注意。

また、VUG・QQQ・VGT投資で気をつけておきたいことは、先にあげたボラティリティ。
VUG・QQQ・VGTはVOO(S&P500)と比較するとボラティリティがやや大きめ。
いずれもボラティリティを十分に考慮しつつ、偏重しない投資スタイルがおすすめ。
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まとめ

以上より、VUG・QQQ・VGTの徹底比較を行なってきました。
いずれも米国市場を強くリードし続けるテクノロジーセクターを多く含むETFであり、
個別株投資よりも効率的に分散投資が可能でリスク軽減できる点はメリットが大きいです。

今後のいずれのETFのパフォーマンスでどの程度の差が生じるかは誰にもわかりませんが、
以下の観点からVUG・QQQ・VGTを選定されることをおすすめします。

《VUGがおすすめな方》
ハイテクセクターに限らず大型の成長企業約280社に投資をしたい方

《QQQがおすすめな方》
ハイテクセクターに限らず新興企業が多く上場するNasdaqの上位約100社に投資をしたい方

《VGTがおすすめな方》
ハイテクセクターに的を絞り上位〜下位企業の成長を広く取り込む形で投資をしたい方

繰り返しですが、VUG・QQQ・VGTいずれも素晴らしい投資対象でリターンの高さは魅力的。
だからこそ、リスク管理に徹し特定のセクターに偏重したポートフォリオにならないように、
バランスを意識した投資を行なっていきたいところですね!

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